どのプロセスをどの順番で導入するべきかといった普遍的なアプローチはない。あくまでも各企業のおかれた状況により、適切なアプローチを見極めることが必要である。これまでにITILに取組んでいる各企業の状況を見ると、大きく3つのアプローチに大別できる。
アプローチ1:サービスサポート全方位型アプローチ
サービスサポートの5プロセスのすべてを対象にITILを導入し、基本的管理から徐々に高度な管理に全体的な底上げを図るアプローチである。
アプローチ2:サービスレベル管理起点型アプローチ
サービスレベル管理は、ITサービスマネジメントの全10プロセスの中でも、最も重要なプロセスの1つである。本アプローチは、先ずはサービスレベル管理を導入して継続的な改善に向けたPDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクルを作り出し、それを起点に残りのサービスデリバリプロセスを1つずつ取り込んでいこうとするものである。
アプローチ3:ピンポイントアプローチ
自社の弱みに着目し、ピンポイントで特定プロセスにITILを導入するアプローチである。インシデント管理や問題管理、構成管理など、サービスサポートのプロセスを対象に、こうしたピンポイント改善が行なわれることが多い。
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