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» 2005年07月29日 01時11分 公開

Ottawa Linux Symposium 3日目リポート (5/5)

[David-,japan.linux.com]
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GOSLING/カナダの著作権

 金曜日に私が最後に参加したセッションは、Russell McOrmond氏がカナダの著作権法について語った「GOSLING/カナダの著作権の最新動向」というBOFセッションだ。

 GOSLINGとは、「Get Open Source Logic Into Governments」(政府にオープンソース・ロジックを)の略である。

 McOrmond氏は最初に、セッション参加者の中のカナダ人に対して、カナダの著作権法に関する嘆願書への署名を呼びかけた。これは、現在提出中の法案によって著作権を損なわないようカナダ政府に求める嘆願書である。このような嘆願書の署名を見れば、国会議員たちも、この問題に関心があるのは利害関係を持つ実業家だけでなく、他の一般のカナダ人も関心を持っているのだということを認識してくれるだろう、とMcOrmond氏は語った。

 現在国会に提出されているBill C-60という法案は、ソフトウェアの作者が、そのソフトウェアを使って行われた著作権違反行為について法的責任を持つことを定めるものである。この法案では、写真の著作権を、その写真を撮った人に与えることになる。その際、写真を撮った状況はいっさい考慮されないので、旅行者が親切な通りすがりの人にカメラを渡して撮ってもらった写真であっても、その写真の著作権は通りすがりの人に与えられる。契約の下で撮影された写真は、引き続き、それを撮影した写真家の著作権下に置かれる。30ページの文面から成るこの法案は、80ページから成る現行のカナダ著作権法に対する修正法案である。

 McOrmond氏の指摘では、IBMは、カナダのソフトウェア特許についてカナダ政府とたびたび争っているPeter K. Wangという弁護士を雇っているそうだ。McOrmond氏は、IBMは同社がソフトウェア特許を本当に支持しているのかどうかについて社内で討論を行うべきだと述べた。なぜなら、カンファレンスに参加した一部のIBM従業員は、以前にこの考え方への不満を表明していたからだ。

 McOrmond氏は、カナダの著作権問題に関心を持っている人に見てもらいたいページとして、flora.ca/A246、goslingcommunity.org、www.cippic.ca、www.creativecommons.ca、www.forumonpublicdomain.ca、www.efc.ca、www.digitalsecurity.ca、www.softwareinnovation.caを紹介した。さらに、同様の問題を扱っているアメリカのサイトとして、www.eff.org、www.ffii.org、www.centerpd.org、www.pubpat.orgを挙げた。

 McOrmond氏が繰り返し指摘したのは、カナダの著作権法は、著作権について利害関係を持つコミュニティーの、インターネットなどなければいいと望んでいる一部の実業家の影響を受けているということだ。しかし、今やインターネットは我々の生活に浸透しているものなので、我々は、一部の人々だけでなく、できるだけ多くのカナダ人にとって利益になるような方法で著作権を取り扱うよう働きかけねばならない。

 ケベック州はカナダの他のどの地域よりも自らの文化を大切にするところであり、もしもケベック州とカナダ国会のBloc Quebecois党議員が、現在彼らが直面している選択は彼らのよく知っている著作権システムかアメリカの著作権システムかの選択であることを認識してくれれば、今回の「打倒Bill C-60」にはプラスになるのではないかとMcOrmond氏は述べた。この種の問題ではまずケベック州が行動を起こすのが通例になっており、他の地域が事態の重要性を理解する前に、ぜひそうしてもらう必要があるだろう。

 McOrmond氏は、カナダの図書館コミュニティーに対しても警告を発した。その警告とは、特定の状況における著作権の免除を要求することは、図書館にとっての利益以上に、万人の害になるということだ。たとえば、著作権のある情報を、それが一定期間を経て自然消滅するものに限り図書館が電子的に交換できるようにするには、その自然消滅を実施するプラットフォーム上で行わなければならない。したがって、図書館システムはそのタスクを実行できるバージョンのWindowsに限定されてしまうのだ。

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