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» 2005年07月29日 01時11分 公開

Ottawa Linux Symposium 3日目リポート (4/5)

[David-,japan.linux.com]

Debian-Women

 夕食のための30分休憩のあと、その晩のBOFセッションが始まった。わたしが参加したのは、「Debian Women:女性を隔離せず奨励しよう」というタイトルのFelipe Augusto van de Wiel氏のセッションだ(ついでながら、同氏は女性ではない)。

 Debian-Womenプロジェクトは、Debian Project Leader(DPL)選挙の際に行われた「Debianプロジェクトにもっと女性を惹きつけるにはどんな策を打つか」というディベートを受けて、DebConf 4のころに発足した。このテーマはメーリングリストでの活発なディベートを呼び起こし、Debian界のご多分に漏れず、最終的にはDebian-Womenと呼ばれる新しいグループが生まれることになった。このグループは同名のWebサイトを公開している。

 オープンソース・プロジェクトに関するいくつかの調査では、主要なプロジェクトにおける女性の割合は最大でも約1.6%であると報告されている。Debian-Womenプロジェクトの発足当時はDebianの女性開発者は3人しかいなかったが、それ以来、New Maintainer Queue(NMQ)には10人の女性開発者が加わっている。

 Van de Wiel氏がセッション中に繰り返し指摘したのは、Debian-Womenプロジェクトは男性も含むものであり、排他的な集まりではないということだ。このプロジェクトに興味を持っている人は、性別に関係なく、同プロジェクトのリストやIRCチャンネルから有益な情報を得ることができる。

 Debian-Womenプロジェクトの目的は、Debianコミュニティーにおける男女平等の意識を喚起し、女性にもっと積極的にフリーソフトウェア・コミュニティーに参加してもらうようにすることだ。

 同プロジェクトのサイトでは、メンバーの実績をProfilesページで紹介し、プロジェクトへの参加方法をInvolvementページで案内している。

 Van de Wiel氏は、なぜこのセッションを女性メンバーではなく自分が行っているのかについて触れ、女性メンバーの多くは現在フィンランドのヘルシンキで開催中のDebConf 5に参加しており、今年のOLSには参加できないからだと述べた。

 話は最近のhotbabeというDebianパッケージに関する騒動にも及んだ。hotbabeというパッケージはシステムのCPUの活動状況に応じて洋服を脱いでいく女性のアニメーションを売りにしていて、活動状況が100%になるとアニメーションの女性も全裸になるというものだった。このアニメーションを男性ストリッパーにするためのオプションがないことに抗議する人が現れ、Debianメーリングリストで喧々轟々の議論になった末に、このプロジェクトはDebianプロジェクトに必要とされる新しい要素を何も提供していないという理由で中止されることになった。

 この話の要点は、コミュニティーの男性は周辺の女性の気持ちに無神経であるということだ。このような態度では、女性開発者の奨励には到底つながらない。

 これと同根の問題として、Debianのドキュメントの多くは性的に中立な表現を使用せず、開発者を暗黙的に男性と見なした表現を使っているという問題を挙げることができる。これも、開発コミュニティーに見られる暗黙的な偏見を助長している。

 さらにVan de Wiel氏は、Debianコミュニティーの女性が現在進めている活動をいくつか紹介した。その中には、同プロジェクトのWebサイトを8種類の言語に翻訳する活動や、Debian Weekly Newsへの協力などがある。

 IT従事者の70%が女性であるというマレーシアの例を除いては、一般的には、この分野では男性の方が好まれるという文化的な偏見がある。ある参加者の話によると、アメリカの最近の調査では、アメリカの一般家庭が男の子に対して費やすIT関連の出費は、女の子に対するものの4倍であるという結果が出たそうだ。

 もう1つ話があったのは、男性は空いた時間にLinuxを楽しみながら(おそらく宿題代わりに)勉強する傾向にあるのに対して、女性はしっかりカリキュラムに従って勉強する傾向にあり、それゆえメジャーなプラットフォームに集まりがちであるということだ。

 要するに、女性開発者にもっとコミュニティーに参加してもらうために、いろいろやっていこうではないかという話だ。

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