知らないと恥ずかしい、ITIL超基礎運用管理のベストプラクティス集「ITIL」とは何か?(1/4 ページ)

ITILを導入する企業が増えてきた。しかし、「ITILって何だろう?」という素朴な疑問を持っている人も多いだろう。ITILの基礎知識を紹介する(攻めのシステム運用管理)。

» 2005年07月29日 08時01分 公開
[東郷茂明(プロシード),ITmedia]

 1980年代後半、当時の英国政府機関が直面していたシステム運用の問題を解決するため、実際の効果のあったIT業務プロセスをフレームワークとしてまとめた書籍(ライブラリ)がITIL(Information Technology Infrastructure Library)である。当初は40冊程度の書籍としてまとめられていたが、現在では、次の7つの領域に体系化され、英国政府機関のOGC(Office of Government Commerce:英国政府調達庁)がそれを所有している。日本語訳はユーザー組織となるitSMF Japanが担当している。

図1 ITILの概要

 ITILは、あくまで業界のベストプラクティスをまとめたものである。実際の運用をおこなうには、内部のプロセスや運用の手順書、マニュアルなどが必要になる。組織の特性に応じて、採用する範囲やレベル感を変える必要があるので、注意が必要となる。

ITILを取り巻く環境

 現在、ITILを取り巻く環境は以下のようになっている。

図2 ITILを取り巻く環境

 ITILの啓蒙促進を担っている団体がitSMFである。ユーザー会員向けの団体で、現在、世界27カ国に支部が存在する。この日本支部となるitSMF Japanは、2003年に設立され、会員同士によるベストプラクティスの研究、ホームページでの情報共有、啓蒙普及のイベント・セミナー、会報誌の発行、ITIL書籍の日本語訳などの活動を行っている。日本でのITILの普及には、itSMF Japanが非常に大きな役割を果たしてきた。

IITLは国際規格にも

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