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» 2005年07月29日 08時01分 公開

運用管理のベストプラクティス集「ITIL」とは何か?:知らないと恥ずかしい、ITIL超基礎 (3/4)

[東郷茂明(プロシード),ITmedia]

 ITサービスマネジメントのITILがこれだけ世界に広まったのは、もちろんITILの内容が優れていることや前述のitSMFの活動によるものもあるが、もう1つ外せないものに個人資格の普及がある。

 個人資格としては、以下の3種類がある(注:ほかに、BS15000の資格としては、「itSMF コンサルタント認定」と「itSMF 監査員認定」がある)。

  • ITサービスマネジメント ファンデーション認定
  • ITサービスマネジメント プラクティショナ認定
  • ITサービスマネジメント マネージャ認定

 これら資格試験は、英国政府機関OGCに認定を受けた試験機関の管轄の下に行われている。特にファンデーション認定は、業界の標準資格として、全世界で受け入れられている。資格取得者は、全世界で15万人を超えるといわれ、2004年度だけでも6万人をこえる資格取得者がいる(注:アジア、米国での資格取得者の伸びが著しく、毎年、前年の倍の伸びをみせている。2004年度の米国での資格取得者は約1万8000名、国内では現在、7000名の資格取得者がいるとされる)。

 既に欧米では、システム運用に携わる人間の常識となっており、新入社員の研修や採用の際の要求事項として扱われている。日本でも、幾つかの教育機関で研修や試験の実施を行っている。

ユーザー企業とベンダー企業の状況

 ITILやITサービスマネジメントを導入したという話しをよく聞くようになってきたが、前回述べたように、マネジメントシステムの導入というのはそれほど簡単なものではない。

 マネジメントシステムの導入は、組織の体質改善でもある。最低でも1年、2年の運用、継続的なプロセス、品質の改善があって、はじめて導入が成功したといえるだろう。例えば、ITILの導入に携わったチームやプロジェクトマネジャーが去ったあとに、プロセスや日々の運用の水準が低下しては意味がないのである。

 そういった意味では、一部の外資系企業を除いて、国内におけるITILの導入・採用はまだ始まったばかりであるといえる。実際に導入を始めた企業でも、ITILのフレームワークで、既存の運用を照らし合わせてみただけの段階が多く、日本のユーザー企業への普及はまだこれからだ。

 既に欧米では、品質改善、コスト削減、ビジネスの目的に沿ったシステム運用の実現という点で、ITILは実際に効果を発揮している。今後、システム運用のデファクトスタンダードになることは確かであろう。

 ベンダー企業は、さまざまなITILサービスを提供している。実際、2004年より、ITサービスマネジメント・ITILの方法論を提供するベンダーは急速に増えている。主なサービスには次ページのようなものがある。

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