PalmSource、携帯LinuxのMontaVistaと提携

両社は互いの開発者プログラムに参加する。China MobileSoftの技術をLinux版Palm OSの基盤として採用するというPalmSourceの計画には変更なし。(IDG)

» 2005年08月10日 16時19分 公開
[IDG Japan]
IDG

 米PalmSourceは8月9日、自社のOSをLinuxカーネルに移行させるという昨年の決定に基づき、モバイルLinux分野の主力ベンダーであるMontaVista Softwareとパートナーシップを結んだことを発表した。両社はLinux搭載携帯電話用の、LinuxベースのOSとアプリケーションの開発を推進する計画。

 PalmSourceはMontaVistaのOpen Frameworkパートナープログラムに参加し、MontaVistaはPalmSourceのPalm Powered Mobile World(PPMW)プログラムに参加する。

 MontaVistaのOpen FrameworkはLinux搭載携帯電話のリファレンスアーキテクチャの推進を目的とするプログラム。PPMWは、Palm OS対応アプリケーションの市場投入促進のために立ち上がったプログラムだ。

 昨年12月のChina MobileSoft買収によって獲得した技術を採用するというPalmSourceの当初の計画に変更はない。買収当時PalmSourceは、China MobileSoftが開発を進めてきたバッテリー管理技術と起動時間短縮技術をLinux版Palm OSの基盤として採用するとしていた。

 PalmSourceのマーケティング担当副社長、ディディエ・ディアス氏は、MontaVistaとの提携は「仲介役となって各種関連企業を引き合わせること」により焦点を絞っていると説明する。

 ディアス氏によると、Linuxのカーネル(同氏は「プラミング」と呼んだ)をOSの基盤として採用することで、PalmSourceはLinuxコミュニティーの力をソフト開発に生かすことができる。

 「カーネル育成過程で必須の、専用ドライバーを書く作業において、大きなメリットが得られる。Cobalt(PalmSourceの現行OS)のときはドライバの書き方が分かっている人は一握りだった。今後は、この作業がずっと楽になる」(ディアス氏)

 また、Linuxカーネルの採用はPalmSourceにとって、低コストで柔軟性の高いOSによって収益の見込める携帯電話市場に切り込むための出発点となる。ディアス氏によると、MicrosoftのOSと比べてLinuxはデザイン上の柔軟性が高く、またオープンソースであるが故に低料金ライセンスが保証されている。

 「Linuxは、料金高騰に対する内蔵安全装置だ。オープンソースは、特定ベンダーの権力拡大に歯止めを掛けることで価格の高騰を防いでいる」(ディアス氏)

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