DSI構想を実現するための機能を備えた製品は、すでにたくさんリリースされてきている。Systems Management Server 2003、Microsoft Operations Manager 2005、Virtual Server 2005などはご存じの方も多いだろう。SMSはインベントリの作成や自動配布に使用され、MOMは自動監視に、Virtual Serverはサーバの仮想化に使用されている。
こうした製品を皮切りに、DSI構想に基づいた製品がこれからさらにリリースされる。特に年末に出荷が予定されているVisual Studio 2005はDSIの中心となるSDMを協力にサポートし、従来のVisual Studioは開発者が使うものという概念を覆すものとなっている。これからは、運用管理者がVisual Studioを使用して、システム配置やポリシーの設定を行うことになり、これらの情報はSDMとして保存され再利用されることになる。
また。Visual Studio 2005 Team SystemのデータセンタとなるTeam Foundation Serverの存在も重要だ。SQL Serverをストレージとし、いわゆるソースコードはもちろんのこと、SDMのデータも格納する。開発から運用までのシステムの情報を一元管理するサーバ製品となる。
このように、従来であれば、VisioやExcelといった個々のツールで作成されていた情報が、SDMという形で保存されることにより、さまざまに活用されるようになる。例えば、Visual Studio 2005で運用管理者が記述しSDM化された配置図をもとに、アプリケーションが自動展開され構成されるということが可能となるのだ。
Visual Studio 2005以外にも、今後リリースが予定されている製品として、Windows Server 2003 R2、Systems Management Server 2003 SP1、System Center Reporting Manager 2005、System Center Capacity Manager 2006などがアナウンスされており、着実にDSIの実現に向かって作業は進められている。
このように、DSI構想に基づいてマイクロソフトの製品戦略が進められてきており、今後のロードマップもしっかりしている。ともあれ、DSIの実践までにはいくらか時間がかかるだろう。とりわけVisual Studio 2005のリリースが待たれるところだが、既にベータ2は試用可能となっている。今のうちにDSIを実現する製品に触れておくことで、DSIの将来像をより身近なものとしておくのはどうだろうか。
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