MS、Web Services Enhancements 3.0のβ版をリリース

Visual Studio 2005と.NET Framework 2.0を利用してWebサービスを開発するための基盤を整備すべく、Microsoftが「Web Services Enhancements 3.0」のβ版をリリースした。(IDG)

» 2005年08月30日 12時56分 公開
[IDG Japan]
IDG

 Microsoftは今週、.NET用の「Web Services Enhancements(WSE)3.0」パックのβリリースの提供を開始した。

 Microsoftは6月に、WSE 3.0のCommunity Technology Preview(CTP)ビルドをリリースしている。CTPビルドは安定性の低いプリβ版。

 同社は8月26日の発表文の中で、「今回のβ版では、これまでに得られた貴重な顧客フィードバック、特にMSDN(Microsoft Developer Network)プロダクトフィードバックセンターを通じて得られたフィードバックが反映されている」と述べている。

 「基本的な機能についてはCTPから変わっていない。しかしこのβリリースでは、診断機能の改善、TCPを通じてホストされるWebサービスからASP .NETを生成する機能、セキュリティの改善、SoapHttpRouterと宣言型ポリシーファイルとの連携などが盛り込まれている」とMicrosoftは発表文に記している。

 「このβリリースは、製品サイクルにおける新たな一歩となるもので、開発者はこの製品がどのように進化しているのかを把握でき、われわれはさらなるフィードバックを得ることができる。WSE 3.0は年末までにリリースされる予定だ」(同発表文)

 WSE 3.0は、「Visual Studio 2005」(11月に出荷予定)および「.NET Framework 2.0」を使用する開発者向け。

 Microsoftのオンラインダウンロードセンターに掲載された紹介文には、「WSE 3.0では、共通のセキュリティエクスチェンジパターンが大幅に簡素化された。主要な改良点として、クライアントとサービス間のメッセージを容易にセキュア化することができる標準の“ターンキー”セキュリティシナリオが組み込まれたことがある」と記されている。

 WSEでは、X.509証明およびバイナリ/XMLベースのトークンを用いてWebサービスの署名および暗号化を行うことができる。また、ユーザー名/パスワードを使用した認証も可能だ。

 WSE 3.0では、宣言的ポリシーモデルと強制的プログラミングモデルとの連携も実現され、ポリシーファイルを通じて(あるいはコード内で)セキュリティや各種アサーションをSOAPメッセージに適用する場合には、常にポリシーが使用される。ポリシーファイルは、ポリシー属性によってクライアントプロキシあるいはサービスに関連付けることができる。

 Internet Information Services以外のプラットフォーム上でホストされたASP .NETサービスもWSE 3.0でサポートされる。SOAP Message Transmission Optimization(MTOM)規格を利用することにより、大量のバイナリデータもセキュアに送信することが可能だという。

 セッション管理機能も改善され、セキュアな会話が切断された場合に接続が再確立されるようになっている。この機能は、Webファームシナリオにおいてセキュアな会話を可能にする。

 WSEは、WS-*(「WSスター」と読む)規格をベースとするアプリケーションを開発するための基盤を提供する。WS-*は、Microsoftが推進しているWebサービス規格で、WS-Security、WS-Trust、WS-SecureConversation、WS-Addressingなどがある。

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