個人でNASを導入するユーザーが増えてきた。しかし、パワーユーザーはNASとしてではなく、安価で小型のLinuxマシンとしてとらえているようだ。本特集ではGiga LANDISKをDebian化してみよう。
アイ・オー・データ機器から満を持して(?)登場したギガビット・イーサネット搭載NAS、「Giga LANDISK HDL-G」シリーズ。ネットワークインタフェースに100BASE-Tを搭載していた前シリーズから大きく進化し、CPU及びその周辺チップとしてIntel XScaleシリーズのIOP(I/Oプロセッサ)を採用、同じくIntel製のギガビット・イーサネットコントローラをPCI-Xバスに接続しています。
そしてOSにはDebian GNU/Linux 3.1(Sarge)のARM版をベースに次のような改造を施したものがインストールされています。
同様のHDD搭載型個人向けNASとしては、玄人志向の玄箱や挑戦者のLANTANK(白箱)など比較的低価格なものも多く出てきており、それぞれ腕に覚えのある有志の手によって、Linuxサーバとして利用する方法が確立されています。
本記事では、同製品をとことん活用するために、同製品にほぼ素に近いDebian GNU/Linux 3.1をインストールする方法を紹介したいと思います。
本記事ではGiga LANDISKを分解、HDD内の本機ファームウェア部分を改造します。記事執筆にあたっては筆者で動作確認を行っていますが、完全な動作を保証するものではないことに注意し、実施する際は下記をご覧の上、自己の責任においてご利用ください。
では、まず今回の作業に必要なものを挙げてみます。
※ATAのハードディスクが少なくとも1台接続できる空きポートがあること。USBでの増設でもかまいません。
※RS-232C(COM)ポートが少なくとも1つ利用可能なこと。空きポートが無い場合はUSBなどで増設する必要があります。
※通常は使用しませんが、作業ミスなどでOSは起動するがログインプロンプトがでない、という状態になった場合、[Ctrl]+[Alt]+[Del]キーを押すことで安全にリブートできます。
インストール作業用にPC計2台が必要としていますが、これは、それぞれ事前のバックアップを取得する際と、インストール工程の一部で使用するためです。作業の見通しのためには別々のPCを使用する方が望ましいのですが、PCが1台しかない場合は両OSのデュアルブートなどでもかまいません。なお、筆者は前者をFedora CoreのPC、後者にWindowsのノートPCを用いて作業しました。
また、ターミナルソフトウェアについては、Windows上であれば、有名なところでPoderosaやTera Term Proなどが存在します。ただし、通常のTeraTermではUTF-8に対応していないため、一部文字が化けます。そのため、Tera Term Proを使う場合はUTF-8対応版を使用してください。Linux環境でもいくつかターミナルソフトウェアがありますが、UTF-8の対応状況が執筆時点で確認できていないため、ここで紹介することは控えさせていただきます。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.