OpenOffice.org 2.0が変えるオフィスアプリ基準の6回目は、「図形描画」をクローズアップする。Drawは、Microsoft Officeには単独として無い機能を備えている。Word対抗のWriterなどと連携し、クリップアートの充実さを狙う。
「Draw」(ドロー)は、オープンソースのオフィススイート「OpenOffice.org」に含まれている作図ソフトである。ドローツールとも呼ばれる。
Drawで描いた図形データは、線分の集まりとして記録されるため、拡大や変形によっても画質が劣化しないという特徴を持つ。
一方、Microsoft Officeには独立した作図ツールが付属されておらず、付属の「図形描画機能」を利用する。そのため、図形データだけをファイル保存することはできない。これに対し、Drawは独立したツールのため、描いた図形をファイルに保存できる。また、OpenOffice.orgは、WordとPowerPointと同じように、ツールごとに図形描画機能を備えている。ツールに合わせて使用できる機能が少しずつ異なっているが、操作は共通だ。最新のOpenOffice.org 2.0に含まれるDrawでは、従来のバージョンと比べると描ける図形パターンが増えており、多彩な表現が可能になっているのだ。
Microsoft Offcieで地図やイラストを描いたり、凝ったレイアウトの文書を作成したりするには、WordやPowerPointを代用してきたが、Drawを使えば、このような作例を容易に描くことができる。
実をいうと、新バージョンのDrawの新しい機能そのものはそれほど多くない。
いちばんの変更点は、前述のように描ける基本図形の種類が増えたことだ。Microsoft Officeの図形描画機能と同じような図形パターンが追加されおり、ちょっと凝った図形も簡単に描ける点が特筆に値する。見かけ上では、Impressと同じように画面が複数のフレームに分割されており、複数のページがある場合に各ページを参照しやすくなっている。
新機能が少ないといっても、従来のバージョンから便利な機能を備えていたため、充実度はかなりのものだ。たとえば、図形同士を結びつけるコネクタや寸法線を描く機能は、ブロック図や間取り図などに便利だ。
複雑な図形を描くために、複数の図形を組み合わせて、それを合成したり、差分の図形を作ることができる。この機能は、[変更]→[シェイプ]→[***]で呼び出せる。
OpenOffice.orgでは、ツールごとに図形描画機能を備えている。使い方は共通だが、一部の機能に違いがある。
WriterとCalcの図形描画機能は、標準では表示されず、標準ツールバーの「図形描画機能」ボタンで呼び出す。Drawと比べると、コネクタなど描ける図形の種類が少なくなっている。文書作成に使用する単純な図形であれば、この機能だけで十分だろう。
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