企業での採用を狙うセキュアなRSS(1/2 ページ)

XMLセキュリティ企業のReactivityは企業向けRSSプロバイダー2社と提携し、セキュアなRSSサービスの提供に乗り出す。ターゲットは金融機関をはじめとする企業顧客だ。

» 2005年09月05日 19時15分 公開
[Paul F. Roberts,eWEEK]
eWEEK

 Webコンテンツを集約する技術として1990年代末に登場して以来、RSSはブロガーや熱心なニュース読者に重宝がられてきた。しかし今日に至るまで、この技術を企業で利用するためのアプリケーションはほとんど存在しなかった。

 だがこの状況が変わるかもしれない。

 2社の企業向けRSSプロバイダーがXMLセキュリティ企業のReactivityと提携して、セキュアなRSS機能を提供しようとしている。Reactivityのアンドリュー・ナッシュCTO(最高技術責任者)によると、このRSS機能は、クレジットカード取引の通知やサプライチェーンマネジメントなど広範な用途で利用できるという。Reactivityは、セキュアなXMLインフラ製品を開発している企業。

 カリフォルニア州ベルモントに本社を置くReactivityは9月5日、自社のセキュアなXMLゲートウェイ製品の新機能を発表する。これは、RSSフィードへのアクセスのセキュア化、暗号化および認証のための機能で、RSSデータと各種XMLデータフォーマットとの間の変換も行う。

 Reactivityのマーケティングディレクター、ジョエル・グロッパー・カウフマン氏によると、RSSサービスプロバイダーのSimpleFeed(カリフォルニア州パロアルト)および「FeedBurner」を提供しているBurning Door Syndication Services(イリノイ州シカゴ)との提携も発表するという。この提携は、パブリッシングサービス企業とその顧客にセキュアなRSSサービスを提供するのが目的だ。

 RSS(Really Simple SyndicationあるいはRDF Site Summaryの略)は、Webページのコンテンツを集約するために使用するXMLの1形態である。Reactivityの新機能は、企業がRSSサービスを利用した新サービスを作成するためのプラットフォームを提供することにより、「卵が先かニワトリが先か」というRSSのジレンマを解決するという。

 ナッシュ氏によると、現時点ではセキュアなRSSの市場は存在しないに等しいが、この状況は、1990年代にNetscapeブラウザが出現する前のインターネット初期のころと似ている、と専門家らは指摘する。同ブラウザの登場は、HTMLを利用したセキュアなトランザクションを可能にし、電子商取引の普及を促した。「セキュアなRSSの登場は同様の効果をもたらす可能性がある」とナッシュ氏は話す。

 「管理された情報配信などの技術には広範な可能性が広がっている。われわれは次の入り口を作りたい。つまり、コンテンツ署名、信頼、コンテンツセキュリティなどの機能を追加することにより、RSSを拡張して、企業にとって役立つ技術にしたいと考えているのだ」とナッシュ氏は話す。

 しかし、企業ユーザーがどのバージョンのRSSを採用するのか、またポピュラーな情報シンジケーションメディアをセキュア化するための新しい標準が必要なのかなど、セキュアなRSSに関しては、まだ重要な問題が残されているという。

 「RSSにはさまざまなバージョンが存在し、競争を繰り広げている」(ナッシュ氏)

 Reactivityの製品はコンテンツ署名、暗号化、復号化、監査などの機能を提供し、企業でのRSS配備に際して仲介役を果たす。「さらにRSSフィードを、SimpleFeedなどのRSSサービスプロバイダーに渡すことができ、これらのプロバイダーはフィードを要求する各種のRSSアグリゲーターに従ってRSSフィードを整理する」とナッシュ氏は説明する。

 同氏によると、Reactivityの製品は、SimpleFeedなどの企業が金融機関などの顧客を開拓することを可能にする。これらのユーザーは、SOA(サービス指向アーキテクチャ)とWebサービスシステムを通じて、バックエンドの処理システムへのRSSインタフェースを作成できるという。

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