透過光の濃淡で本人確認、偽造指も区別できる指紋認証装置を三菱電機が開発

三菱電機は、指の爪側から光を照射し、その透過率を元に指紋情報を検出、本人認証を行う「三菱指透過認証装置」を開発し、販売を開始した。

» 2005年09月09日 12時03分 公開
[ITmedia]

 三菱電機は9月8日、指を読み取り装置に接触させて表面の指紋を読み取る代わりに、爪側から光を照射し、その透過率を元に指紋情報を検出する「三菱指透過認証装置」を開発し、同日より販売を開始した。

 指紋認証は、IDとパスワードの組み合わせに比べ強固とされるバイオメトリクス認証の中でも代表的な方式だ。しかし、指の表面状態を読み取る方式では、冬場の乾燥した指やぬれた指の認識が困難だった。また、ゼラチンを使った偽造指紋でも認証が行えてしまう問題も指摘されている。

 三菱電機が開発した新方式では、指の爪側から光を照射し、指内部を透過した光パターンをカメラで撮影する。内部組織を光学的に検出し、濃淡画像を利用して認証を行うため、外部要因や指の表面状態に左右されずに本人確認を行える点が特徴だ。人の指と偽造された指を区別することも可能という。

 製品には、金庫などの機器への組み込みや業務システムでの利用を想定し、認証処理や登録処理を装置内で行えるようにした「三菱指透過認証装置デスクトップタイプ[DT-TP]」と、入退室管理向けの「三菱指透過認証装置ゲートタイプ[OPG-TP]」の2タイプがある。

 デスクトップタイプの価格はオープンプライスだが、参考価格は5万円程度。10月11日より出荷を開始する。またゲートタイプは49万円となっており、2006年1月4日より出荷する予定だ。

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