企業Blog:企業活性化の切り札か、時間の無駄か(2/2 ページ)

» 2005年09月12日 14時53分 公開
[Jay-Lyman,japan.linux.com]
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Blog詰まり?

 ニューヨークにあるコンサルタント/アナリスト会社、Basex社で主任アナリストを務めるJonathan Spira氏は、企業にとってBlog、RSS、Wikiのメリットは多いが、現実の導入テンポは遅い、と言う。

 Basex社は、来月、"Enterprise Weblogs and Informal Collaboration: The Secret to Successful Knowledge Sharing"(企業Blogと肩肘張らないコラボレーション:知識共有に成功する秘訣)というリポートを発表する。Spira氏の見るところ、多くの企業にとってBlogは依然として「遥かなる西部」だ、と言う。

 「Blogは、直接、顧客の目に触れるものです。なのに、そのほとんどは編集されず、内容も点検されていません。従業員に絶対に言ってほしくないことが、従業員の目にさらされていて、統制がみるみる緩むこともあります」

 企業Blogには、Blog詰まり(ボリュームが大きすぎて、Blog自体が無意味になること)の危険はあっても、コラボレーションとコミュニケーション上の利点が多い、とSpiraは強調する。Basex社のレポートでは、「使いやすく、定期的に更新でき、対話を促進し、ウィルス感染的に広まり、破壊的でない」と利点が列挙されている。

 社内Blogも顧客向け社外Blogも、どちらも立派な市場に育ちうる、とSpiraは見ている。そして、現在はまだスモールプレーヤにすぎないが、ソフトウェアプロバイダがどちらの市場にもソリューションを提供できる、と言う。

 「社内Blogは優秀な知識共有デバイスとなりえますが、ほとんどの企業はまだ知識共有の概念を理解できていません。現代は情報の時代です。企業にはもっと自己教育に励んでもらわねば……。知識を共有できるかどうか、知識労働力の管理技術を体得できるかどうかで、今後十年の――また、それ以後の――企業の命運が決まります」

グループウェアへ

 企業Blog市場に弾みがつきはじめている現在、ベンダにも、電子メールサーバとBlogサーバの統合ソリューションを提供しようという動きがある。たとえばNetWin社は、最近、SuregeMailBlogサーバを発表した。

 企業にとってグループウェアの重要性が増している、とNetWin社製品開発マネージャRalph Pugmire氏は言う。Blog人気もその流れに沿ったものだ、とも言う。

 企業Blogには時間の無駄遣いという批判もあるが、利点が明らかになるにつれ、批判も克服される、とPugmireは言う。「みんなBlogが好きなんですよ。確かに時間浪費の危険はありますが、だからといって誰も使うのをやめません。いいツールですから」

 Blog専用サーバならBlog管理の能力が増し、しかもWebサーバやバックエンドデータベースを必要としない、とPugmire氏は言う。そして、現在、企業Blogを販売している既存ベンダはいない、というSpira氏の見方に同意する。

 「だからこそ、わが社にとっていまが絶好の機会なんです」

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