新製品ラッシュを控えソフトウェアアシュアランスを大幅拡充するMS(1/2 ページ)

Microsoftが「Software Assurance 2006」を発表した。「Windows Vista Enterprise Edition」のようにSoftware Assuranceを通じてしか提供されない新しいテクノロジーも用意される。

» 2005年09月17日 01時12分 公開
[浅井英二,ITmedia]

 新製品ラッシュを控えるMicrosoftは米国時間9月15日、特典を大幅に拡充した新しいソフトウェア保守プログラム、「Software Assurance 2006」を発表した。

 ソフトウェアアシュアランスは、ボリュームライセンスの契約企業を対象に、その後3年間にわたって提供されるプログラム。その契約期間中であれば、最新製品を追加費用なしに利用する権利を得るというもので、いわゆる「サブスクリプション」形態への地ならしとして2001年5月に発表された。今回の拡充では、そうしたソフトウェアのアップグレード権や分割払いだけでなく、計画、配備、利用、保守、移行という一連のソフトウェアライフサイクル全体をサポートし、総合的な価値を提案していくとしている。

 しかし、このソフトウェアアシュアランスは2001年の発表時に一部顧客の反発を買い、出だしからつまづいた過去がある。ボリュームディスカウントの適用を受ける企業顧客は、ソフトウェアアシュアランスに移行するか、その都度、新規購入を繰り返すかの選択を迫られたからだ。Linuxやオープンソースを勢いづかせる一因になったともいわれている、いわく付きだ。

 マイクロソフトでマーケティングを統括するアダム・テイラー常務執行役は、「われわれはこれまでにないほど真摯に顧客の声に耳を傾けている」と話す。

 過去の苦い経験からか、来春3月スタート予定のSoftware Assurance 2006だが、半年前に発表するという念の入れようだ。

 「早期にアナウンスし、顧客企業や業界とのコミュニケーションに努めたい」とテイラー氏は話す。

「Software Assurance 2006は顧客の声に直接こたえるもの」とテイラー氏

 元々ソフトウェアアシュアランスは、常に最新製品を追加費用なしに利用する権利が得られるため、必要なライセンスをきちんと購入しているかどうかというコンプライアンスへの懸念やソフトウェア資産管理の複雑さ、あるいは複数バージョンを運用する煩雑さなどを解消できる。また、最新製品を利用すれば、それだけセキュリティやプライバシーについてのリスクも低減できるはずだ。

 製品が未発表のため、テイラー氏は詳細を明かさなかったが、強力なセキュリティ機能をビルトインした「Windows Vista Enterprise Edition」や新旧OSを共存させてレガシーアプリもサポートできる「Virtual PC Express」、旧式のPCもセキュアにしたい企業のためのWindows XP SPのシュリンクダウン版「Windows Fundamentals for Legacy PCs」といった、Software Assurance 2006を通じてしか提供されない新しいテクノロジーも用意される。どれも大量のPCを配備している大企業にとっては、その管理負荷を軽減してくれるという点で恩恵は大きいだろう。

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