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» 2005年09月27日 22時38分 公開

次世代スーパーコンピュータはLinuxにとって追い風か (1/2)

現在、世界最速スーパーコンピュータトップ500の第1位にランクされるスパコンには、Linuxが搭載されている。だが、Linuxは今後もそこにとどまれるだろうか。

[Jay-Lyman,japan.linux.com]

 現在、世界最速スーパーコンピュータトップ500の第1位にランクされるスパコンには、Linuxが搭載されている。だが、Linuxは今後もそこにとどまれるだろうか。

 2004年11月、Linuxを搭載した米IBM社のBlueGene/Lシステムが、リンパックベンチマークで70テラフロップ/秒(1秒間に70兆回の計算)を叩き出し、それまで超高性能コンピューティング(HPC)のキングに君臨していた日本の地球シミュレータをその座から追い落とした。地球シミュレータはカスタマイズ版UNIXを搭載していて、その計算能力は35.86テラフロップ/秒だった。IBM社は、その後、BlueGene/Lの性能をさらに2倍近くに引き上げて首位固めを図り、2005年6月のトップ500リストでもリンパック136.8テラフロップ/秒で首位を堅持している。

 さらに、最新のトップ500リストでは、やはりLinuxを搭載したIBM社のBlueGene縮小版が第2位にランクされ、SGI社のLinuxクラスタシステムが第3位となって、地球シミュレータは第4位にまで転落している。

 日本には、2010年までに10ペタフロップ(1ペタフロップは1000テラフロップ)のマシンを作り上げる計画がある。トップ500の半数以上がLinuxクラスタで占められている現在、日本もLinuxクラスタに向かうのかもしれない。

 中国も独自のペタフロップマシンに取り組んでいると言われる。さまざまな情報を総合すると、やはりLinuxに大きく依存しながら世界のスパコンレースに参加するつもりのようである。

 「もちろん、中国は明らかにクラスタ狙いでしょう。クラスタと言えば、だいたいはLinux稼動のブレードでありサーバです」とトップ500リストの共同創案者であり、共同編集者でもあるErich Strohmaier氏は言う。

 前HPCチャンピオンである日本については、地球シミュレータのアプローチを踏襲し、ベクタプロセッサと独自UNIXで行く可能性もあるし、Linuxクラスタに方向転換する可能性もある、と予測する。日本の次世代スーパーコンピュータは、その資金調達の方法から何からまだ明らかになっていない部分が多いが、いずれにせよ、今後しばらく、スーパーコンピュータの世界でBlueGene方式が忘れられることはないだろう、と言う。

 「侵入やノイズを許さないオペレーティングシステムは、みんなの願いです。プロセス数が膨大ですからね、Linuxの使用は今後もつづきますよ。Linuxは、BlueGeneが持つアドバンテージの1つです」

 スパコン開発では、性能向上の手段として並列コンピューティングとマルチコアチップが注目され、それがHPC戦争を過熱させている。だが、そうやって構築されたスパコンも、オペレーティングシステムソフトウェアとミドルウェアなしでは何もできない。

 「Linuxを使用するケースが増えるでしょう。Linuxコミュニティーを利用しない手はありませんもの」

 「次世代のスパコンだけを考えるなら、性能向上には、オペレーティングシステムソフトウェアよりマルチコアプロセッサのほうが重要でしょう」とStrohmaier氏は言う。「ですから、Linux側もそれに対応していかないと、未来は開けません」

 「メガヘルツ数がどうこうより、コアの数が4つとか8つになることが問題です。つまり、Linuxもマルチスレッドパフォーマンスや並列パフォーマンスを重視しなければなりません。従来のLinuxはシングルスレッド指向でした。これは、変わらざるをえないでしょう。Linuxコミュニティーにとってもいいことです」

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