そもそも自社の目標をどう定め、自社をどこに導きたいのか、これが明確でなければ経営革新・業務改革に取り組むことは不可能である。現状の業務を見つめ直し、改善の余地がある部分を発見する。IT導入を優先するあまり、「ユーザー教育が行き届かず、使い方が分からないなどの問題で業務効率が悪くなった」「導入したシステムを業務に活かせずに何年間も眠らせている」という事態になってしまう。
情報化による経営革新を成功させるためには、どうすればよいのか。結論から言えば、大切なのはIT志向ではなく、戦略に基づいた情報化志向である。
例えば、財務会計などの伝票を手作業でまとめて、自社の財務状況を把握し、問題点を改善するなどの経営革新に取り組む。これも立派な『情報化』による経営革新である。しかし、手作業で進めるのは人的資源の浪費が大きい、効率が悪い、正確性にも欠けるといったさらなる問題点が出てくる。ここで初めて、会計アプリケーション等の情報システムを利用したIT活用の重要性に気付く。
「パソコンを導入して、インターネット・電子メール環境を整備し、名刺にメールアドレスを印刷して満足するだけでなく、目標・目的をしっかり定め、最も大きな効果を得られる(と期待される)部署に『ヒト・モノ・カネ』を投入する。そのために利用できるものは機関であれ、支援施策であれ、積極的に利用することが必要」(支援機関関係者)。
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