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» 2005年10月10日 14時43分 公開

ハリケーン後の対応にVoIPを活用したAllstate

災害時に機動性を発揮できるIPベースの電話設置が進んでいる。いまVoIPに求められているものは、キラーアプリケーションと、決定的なコスト削減の証明だ。

[IDG Japan]
IDG

 Allstate Insuranceでは、メキシコ湾岸地域を襲ったハリケーン「リタ」と「カトリーナ」がもたらした混乱を乗り切るのにVoIP(Voice over IP)技術が役立った。同社によると、VoIPを利用することにより、仕事場を失った保険代理人や損害査定担当者のために2つのオフィスをいち早く開設し、被災者からの問い合わせに対応することができたという。

 イリノイ州ノースブルックに本社を置くAllstateでネットワークと音声技術を担当するシニアマネジャー、ブランディ・ランドレス氏によると、同社はカトリーナの襲来から7〜14日後にVoIPベースのオフィスを2カ所にセットアップした。1つはルイジアナ州バトンルージュに開設され、206人のスタッフ用にVoIP電話が備えられた。もう1つはアラバマ州モビールのオフィスで、300台のVoIP電話が設置されたという。

 「当社では、必然性に応じてVoIPを配備している。例えば、ハリケーンなどの災害時に機動性が必要とされる地域などだ」とランドレス氏は話す。またVoIPでは、被災地からの電話を、何百マイルも離れたコールセンターの担当者に素早く転送することも可能だ。カトリーナとリタの場合、Allstateは全米で100人以上の損害査定スタッフを採用した。これらのスタッフは全員、IPベースのソフトフォンを利用したという。

 2カ所の新オフィスと全米各地のスタッフに加え、Allstateはフロリダ州レークメアリーのコールセンターを拡張するのにVoIPを利用した。同センターは、2004年のハリケーンの際に設立された。今回、メキシコ湾岸地域での取り組みを支援する目的で同センターが活用されたという。

 ランドレス氏によると、Allstateでは約1万台のIP電話が配備されており、2006年までにさらに台数を増やす計画だという。同社の広報担当者によると、Allstateは約7万人の従業員および代理人を抱えている。「当社ではAvayaのVoIP電話およびソフトフォンのほか、AvayaのIPベースの音声スイッチを利用している」とランドレス氏は話す。

 ランドレス氏によると、VoIPによって迅速な対応が可能になったが、Allstateでは今後も「必然性のある個所」に選択的にVoIPを配備する方針だという。Allstateが引き続き回線交換型の電話システムを利用するにあたり、Avayaの協力が得られることも分かったという。

 「VoIPの配備に関しては、当社は保守的かつ戦略的な姿勢で臨んでいる」とランドレス氏は話す。

 「IP化を自慢するためにインフラを改良しているのではない。設備の減少によるコスト削減が期待できる個所をIPの配備対象としてきた」(同氏)

 ランドレス氏によると、AllstateのITスタッフは、音声メールを電子メールに添付する機能など、IPネットワークによって可能になるアプリケーションを求める声を聞いていないという。

 「多くの人々にとってのVoIPのキラーアプリケーションを見つけたという発表はまだ聞こえない。VoIPの採用を促すような経費節約はまだ実現されていない」(同氏)

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