特集
» 2005年10月11日 08時00分 公開

情報技術による新しいビジネスシステムの創造(後編):中小企業のIT活用の原点はどこにある? (1/3)

利益を創出する業務そのものでのコンピュータによる差別化が難しいのであれば、事業の仕組み全体で、収益に結び付けなければならない。情報技術を活用したビジネスシステムで収益を獲得する必要がある。

[小川正博,ITmedia]

  「なぜコンピュータが成果をあげないのか?」の後編となります

顧客ニーズに対応したビジネスシステムの構築

 その方法を考えてみよう。企業のビジネスシステムは下図のように概念化できる。業務を実行する業務プロセスだけでなく、事業を行う組織、これらを支える経営資源が必要である。そして、そうした事業要素のあり方をリードし、また不足する資源を補う方法などを構想して、事業の基本的なあり方を規定する事業概念、という要素から事業が成立するというモデルである。

図2 ビジネスシステムと情報技術

 このとき、事業のターゲットにしている顧客層が求める顧客ニーズに、情報技術を活用することで対応しやすくなる仕組みを構築する。顧客の求める製品やサービスを、顧客が購入しやすい方法で提供するための仕組み作りに、情報技術を活用する。それができればビジネスシステム全体で利益を獲得することになる。

 先の例では、加工業務を中心に、業務プロセスにおける情報技術の活用が見られた。それを、業務プロセスだけでなく、組織や事業概念とも一体化して事業の仕組み全体にまとめあげることによって、顧客の求めるニーズに的確に対応する。そうすれば、より顧客ニーズに対応したビジネスシステムが可能になり、情報技術活用の効果が高まるのである。また、反対にコアとなるプロセスで、情報技術を直接活用できない場合は、ビジネスシステムの仕組み全体で、効果を発揮できるようにすることで、コンピュータ活用の収益効果を得られるようにする。

 それは、情報技術の活用をビジネスシステム全体の変革に結び付けないと、顧客を本格的に把握できないことを意味する。事業全体で情報技術の役割を発揮させないと、収益効果も低くなってしまうことを、もう一度考慮したい。

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