合併の成功を強調する米Oracleのウイリアムズ氏Interview

OracleによるPeopleSoft買収から1年が過ぎようとしている現在、両社の統合について米Oracleの上級副社長で、アジア太平洋地域を統括しているデレク・ウイリアムズ氏に話を聞いた。

» 2005年11月04日 20時27分 公開
[聞き手:怒賀新也,ITmedia]

 昨年12月に発表された米OracleによるPeopleSoft買収は、アプリケーション業界と、ひいてはIT業界全体においてM&Aの波が押し寄せていることを象徴する出来事の1つだった。日本を含めて、M&Aの話題に尽きない昨今においても、米国のM&A事情を語る際の典型的な例としてOracleとPeopleSoftの合併が取り上げられることが多い。

 正式発表から早くも1年が過ぎようとしている現在、両社の統合はどのようになっているのか米Oracleの上級副社長で、アジア太平洋地域を統括しているデレク・ウイリアムズ氏に話を聞いた。

なお、同氏は、日本オラクルの取締役も務めている。

ITmedia Oracleにおいて合併後の状況はどのようになっていますか?

ウイリアムズ 合併当初は、「Oracleの社風になじめるかどうか不安」という元PeopleSoftおよびJ.D.Edwardsの社員の声が多くありました。しかし、実際には、開発サポート担当の90%以上の社員がOracleに残っています。そこからも合併が成功していると言えます。

 Oracleは、小売業向けアプリケーションベンダーのRetekなど、ほかの企業も含めて10カ月で10社を買収し、ソフトウェア業界のリーダー的存在になりました。これにより、ソフトウェア開発にかける研究投資にもスケールメリットを生かせるようになります。

ITmedia 先日は、CRMアプリケーションを提供するSiebelを買収するというニュースが流れました。Siebelも統合するとなると、果たして、製品思想の異なる製品の統合が本当に可能なのか、を疑問視する声もあります。

ウイリアムズ Siebelについてはまだ状況ははっきりしていません。少なくとも、現段階ではSiebelは独立した企業です。(関連記事

 製品の統合に関して、われわれは、金融や機械、小売りなど、さまざまなセクター向けに、それぞれの企業のニーズに合うものを提供しています。また、製品面からは、人事向けのHCMに強いPeopleSoft、SCMはOracle、中堅企業向けにはJ.D.Edwardsと、それぞれが強みを持っています。それを上手に生かしながら、21世紀に向けてオープンかつモダンな、全く新しい製品を開発し、2007年から提供していく予定です。

 一方で、9月にサンフランシスコで開催されたOracle Open Worldにおいて、Oracleは、サポートポリシーを大幅に強化することを表明しました。具体的な施策が、Oracle Lifetime Support Policyです。これは、ライセンス期間内のすべての製品群について、専門技術サポートと今後リリースする主要製品のアップグレードを提供するものです。

 今後も、SAPユーザーのOracleプラットフォームへの取り組みなど、さまざまな活動をしていく予定です。

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