日立ソフトとマイクロソフトが協業、「管理者主導」のポリシー適用を実現

日立ソフトウェアエンジニアリングとマイクロソフトは、セキュリティ分野で協業。互いの製品を連携させた情報漏えい対策製品「Rights Core for 秘文」の販売を開始した。

» 2005年11月10日 13時25分 公開
[ITmedia]

 日立ソフトウェアエンジニアリングとマイクロソフトは11月9日、セキュリティ分野で協業することを発表した。

 両社は日立ソフトのセキュリティ製品「秘文」とマイクロソフトの「Rights Management Services」(RMS)を連携させた情報漏えい対策ツール「Rights Core for 秘文」を共同で開発し、同日より販売を開始した。

 RMS単体でも文書の暗号化やアクセスコントロールが可能だが、そのポリシーはエンドユーザー自身が規定し、変更することができた。また、秘文でも同じくアクセスコントロールが実現できるが、文書が社外に出たり第三者の手に渡った後はポリシーの徹底が困難だった。

 これに対し、両製品を連携させたRights Core for 秘文では「エンドユーザーの意思に関わらず、管理者主導でポリシーを埋め込み、自動的にファイルを保護できる」(日立ソフトの執行役開発事業部副事業部長、加藤礼吉氏)。RMSを活用することで、単なるファイル閲覧の可否だけでなく編集や保存、印刷、コピー&ペーストの可否など細かな制御が可能だ。また、Active Directoryへのログオンが求められるため、社外では実質的にファイルの閲覧を行えないようにし、情報漏えいを防ぐという。

 ポリシー適用が可能なのはMicrosoft Office 2003のドキュメントだ。WebサービスAPIを活用すれば、既存のERPやCRMといった業務システムから出力されるOffice 2003ドキュメントに自動的にポリシーを適用することができる。なおそれ以外の形式の文書については、「秘文AE Information Cypher」「秘文AE Information Fortress」といった既存の秘文製品によって保護が可能とした。

 Rights Core for 秘文の価格は、サーバが30万円、クライアントは1ユーザー当たり5000円。通信や金融など、セキュリティに対するニーズの高い分野を中心に、30社からの受注を目指す。

 日立ソフトの執行役アライアンスビジネス本部本部長、小川常昭氏によると、同社はここ数年間にわたる.NETやActive Directoryを中心としたマイクロソフトとの協業を通じて、1500社ほどの新規顧客を獲得してきた。一方で秘文に関するビジネスでは2000社あまりの顧客があるといい、こうした顧客に対してクロスセールスをかけていく方針だ。

 日立ソフトは、米Microsoftがセキュリティ向上を目的に組織しているコミュニティ「The SecureIT Alliance」にも参加し、技術検証などの面で協力していく。今後、他の製品に関しても協業スキームを確立していく方針だ。

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