サーバ導入で踏み出すIT化の第一歩ゼロから始める中小企業IT化への道(2/2 ページ)

» 2005年11月17日 07時52分 公開
[伊嶋謙二,ITmedia]
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 何もネットワークはプリンタだけのために使用するのではない。社内にネットワークを構築するということは、すなわち社員同士のパソコンをネットワークでつなぐことにもなる。そのネットワークを通じて、社員同士でデータや情報の共有が可能となり、今まで紙で受け渡されていたものが、電子データで受け渡されることになるのだ。紙ベースでの情報共有よりも効率的であることは間違いないだろう。

ITのインフラ整備、まずはサーバの導入

 それでは、ネットワークを構築するために何が必要になってくるのだろうか? まずはネットワークを構築できるだけの環境が必要だ。いわゆる、ITインフラ整備である。中小企業であれば、ADSL、光ファイバーなどを用いたインターネット接続サービスを使って、インターネットに接続できる環境を整備する。また、社内にLANを敷設して社内のパソコンをネットワークで接続し、サーバを導入する。ここまでできればインフラ整備の第一歩は完了だ。

 実際にこの第一歩を踏み出している中堅・中小企業はどれくらいあるのだろうか? 正確な数値とまではいかないが、参考値としてノークリサーチの「2004年版 中堅・中小企業のIT/ソリューションの実態と展望」調査に興味深い結果がある。サーバを導入している中堅・中小企業の97.0%はLANを導入している、という結果だ。サーバとLANには非常に密接なつながりがある。

ファイルサーバとプリントサーバからスタートしよう

 LANの構築については次回に譲るとして、サーバを導入することにはどんなメリットがあるのか、見ていこう。この段階でのサーバの用途としては、主に二つ挙げられる。ファイルサーバとプリントサーバだ。

 ファイルサーバの魅力はデータの一元管理にある。ファイルサーバを構築すれば、以前までは個々のパソコンでそれぞれ管理していたデータをサーバに集約することができ、データの所在が分かりやすくなる。「あのデータはこのパソコン、このデータはあのパソコン」というようにデータが複数のパソコンに混在している状態では業務をしていく上で何かと効率が悪い。「データはすべてサーバにある」という状態になれば、データの検索や管理も非常に簡単になる。

ファイルサーバ ファイルサーバのイメージ図

 もう一つの用途はプリントサーバだ。プリントサーバはネットワークで接続されたパソコン同士でプリンタを共有できる機能を提供する。また、個々のパソコンをプリンタに接続している状態に比べて、パソコンに対する印刷命令の負荷を下げられる。個々に接続している状態では、1台のパソコンが印刷中だと、別のパソコンからの印刷を待たせる状態になる。パソコンはプリンタに対して印刷命令を出し続けるために負荷がかかるのだ。

プリントサーバ プリントサーバのイメージ図

 しかし、プリントサーバを導入すると、上記の図のように各パソコンはプリントサーバに印刷命令を出し、その命令をプリントサーバが記憶してくれる。この時点でパソコンの印刷命令は終了し、後はプリントサーバがプリンタへ印刷命令を出すことになる。そのため、パソコンへの負荷が軽くなるのだ。

 次回はLANの構築を中心に解説する予定だ。サーバを導入して、LANを構築すればIT化への道は踏み出したといえるだろう。

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