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» 2005年10月13日 08時00分 公開

業種は違えど、ヒントを得られる:IT化で売上10%アップ、老舗工具メーカーの戦略 (1/3)

老舗工具メーカーのフジ矢。同社の工具は電気工事や大工などのプロからのファンも多い。実はフジ矢は情報化への取り組みでも注目されている。老舗工具メーカーのIT戦略とは?

[SOFTBANK Creative]
会社データ
会社名フジ矢株式会社
所在地大阪府東大阪市松原2-6-32
主な業務内容ペンチ・ニッパー・ラジオペンチ等作業工具の企画・製造・販売
URLhttp://www.fujiya-kk.com/

 東大阪市にあるフジ矢株式会は、ペンチやニッパーといった工具の老舗メーカーだ。電気工事や大工などのプロには、富士山と矢のマークのフジ矢ブランドでなければというファンも多い。同社では、専属デザイナーによる斬新なデザインを取り入れ、さらにネジ山が潰れたネジも回せるプライヤーをはじめ、独自商品を積極的に投入している。もう1つ注目されるのが情報化への取り組みだ。同社は情報化により、中小企業総合事業団理事長賞を受賞している。

1丁の特注品から何万丁の普及品まで、自社で製造

 フジ矢の手がける製品ラインアップは極めて幅広い。製品は400種類に上り、ものによっては1丁からの別注品もある。ロットが多い製品であっても、製造作業には手間がかかる。刃の研磨は職人の手作業になり、多くの製品の工程数は60にもなるという。工程は9割方社内で、包装まで自社で行う。製品が多品種少ロットであるため、生産管理も複雑になる。

 「工程数が多いため、リードタイムが長く、平均で75日くらいかかっていました。材料も特注なので、材料を発注してから納品してもらうまで3カ月かかることも。どうしても在庫が多くなっていたのです」(同社代表取締役社長、野崎恭伸氏)

野崎恭伸氏 フジ矢の代表取締役社長の野崎恭伸氏

 フジ矢は、自社ブランドの完成品を作っているため、受注生産ではなく見込み生産が中心になる。従来、生産計画は全て手作業で立てていた。半年近くの計画を、前年の実績を元に立てていたが、作りすぎたり、逆に足らなかったりと無駄が多かったという。

まずITありきではなく、経営戦略ありきで

 情報化の必要性を感じていたところ、ちょうどITSSPという、経済産業省の推進事業が行われていた。これは、中小企業にITコーディネータを派遣し、情報化の手助けをするというものだ。野I氏がITコーディネータと協力してまず行ったのは、どんなシステムを入れるのか考えることではなく、自社の経営戦略を見直すことだった。

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