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» 2005年10月13日 08時00分 公開

業種は違えど、ヒントを得られる:IT化で売上10%アップ、老舗工具メーカーの戦略 (3/3)

[SOFTBANK Creative]
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 ITSSPに参加してから、ここまでに約1年かかっていた。しかし、ベンダーの選定から実際のシステム運営開始まではわずか半年。すでにシステムのイメージは固まっており、そのイメージ通り、かつ安価に実現してくれるベンダーを選ぶだけだった。ベンダーにRFPを出しコンペで選んだ結果、市販の生産管理ソフトをカスタマイズし、見込み生産やバーコード入力などの機能を追加することになった。

写真2 現品票のバーコードを読み込むことにより、当該製品の現在の進捗具合が一目で分かるようになっている

システム効率化と従業員の意識改革で売上10%アップ

 生産実績データや、不良品の分析結果もほぼリアルタイムに見られる。どのロットをいつ誰が作ったのかが把握できるからクレーム対応もすばやく行えるし、どこがボトルネックになっているのかも一目瞭然だ。効果は営業部門にも及んでいる。

 「生産や販売のデータをExcel上に持ってくることも簡単で、どの商品がどこで売れているかなど、どんなデータも呼び出せますから、説得力のあるプレゼンができます。欠品情報もすぐにわかりますから、すぐに補充することができるようになりました」

 同社が導入したシステム全体のコストは約3000万円。そのうち半分が、国からの補助金でまかなわれた。

 「補助金をもらうためには、きちんとした企画書を作る必要があります。また、年度内に完了しないとお金がもらえませんから、必死になります」

 単なる情報化にとどまらず従業員が参画して企業体質改善を行ったことも、中小企業総合事業団理事長賞の受賞理由だった。同社の売上は今期10%アップ、コスト5%削減、リードタイムは45日まで短縮された。

 「今年の利益は昨年の倍くらいでしょうか。システムを導入して1年、本格的に活用して結果を出していくのはまだまだこれからだと思っています。効率化はITシステムだけではなく、従業員の意識の問題も大きいのです。これまで製造業の人間は在庫を持つことが悪いとは思っていませんでした。そういった考え方を含めて、意識改革を行うために、経営戦略をみんなで考えていくというのは効果的な方法でしょう」

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