バルマー氏、MSの新戦略を語るInterview(1/2 ページ)

Visual Studio 2005というエンタープライズ向けのキープロダクトをリリースし、さらにサービスとしてのソフトウェアへの注力を明らかにしたMicrosoft。バルマー氏がその狙いを語った。

» 2005年11月22日 22時13分 公開
[Darryl K. Taft,eWEEK]
eWEEK

 Microsoftのスティーブ・バルマーCEOは先週、Visual Studio 2005、SQL Server 2005、BizTalk 2006の正式発表会でのキーノートスピーチの後、eWEEKのインタビューに応じた。このインタビューの2日後、Microsoftはサービス分野への進出に向けた取り組みで同社が立ち向かおうとしている巨大な変化に関する社内メモを公表したが、バルマー氏は、それに先立ち、この問題について詳しく語ってくれた。

―― Microsoftがエンタープライズ分野への進出を開始したとき、競合企業の多くは、Microsoftはエンタープライズ製品の企業ではないので、この分野で競争することはできないと言っていました。あなたは競争が可能であることを証明しました。しかしMicrosoftは、これまで手がけてこなかったエンタープライズ向け開発ツールセットで、この市場に進出しようとしています。Microsoftのお家芸であるハイボリューム/ローコストのマスマーケット戦略をこの市場に持ち込むことができると考えているのですか?

バルマー 1年以内にわれわれが極めて高い市場シェアを獲得できないとしたら、わたしにとっては大きなショックでしょう。ハイエンドの開発スイートのユーザーの総数を見ると、まだわずかです。

 また、IBMが買収する前のRational Softwareを見れば、彼らの製品のシート数およびユーザー数はわずかなものです。ですから、優れたコンセプトを使いやすいパッケージの形にして、できるだけ低い価格で提供すれば、開発者はそれを求めるでしょう。十分に使いやすいものして、適切な価格を設定しさえすればいいのです。当社のVisual Studio Team Systemでは、それを実現していると考えています。ハイエンドソフトウェア市場における当社のシェアは、今後1年で劇的に拡大するものと期待しています。

―― つまり、Rationalを追い抜くというわけですね。

バルマー もしそうならなければ、わたしは本当に驚くでしょう。予断は禁物ですが、われわれは素晴らしい製品を持っていると思います。それに、非常にボリュームの小さい市場ですので、ある意味では、競合企業が確保したよりもはるかに多くのユーザーを獲得するのは簡単だと言えます。

―― この分野はこれまでずっと、大企業向けの重量級製品が中心となってきましたが。

バルマー チャールズ・W・バックマン氏(訳注:米国のコンピュータ科学者)をはじめ、この分野に参入を試みた人々はだれひとりとして、クリティカルマスを確保することができませんでした。しかしわれわれは、Visual Studioで実現した統合を武器として、そこまで到達することができると考えています。

―― 発表会のスピーチでは、製品投入タイミングや製品サイクルについてジョークを言っておられましたね。より機敏に製品を投入するためには、何をする必要があると思いますか?

バルマー Visual Studioのリリースイベントは面白いものになりました。わたしはこの問題を真正面から取り組みたいと思ったのですが、そのことを顧客に対する発言の中で少し強調しすぎたかもしれません。

 われわれはもっと迅速に製品をリリースするんだという気持ちで臨む必要があると、わたしは考えており、そしてそれは可能です。これまでは、.NETのランタイムをSQL Serverに統合するといった大規模な開発作業が全部完了するまで次のリリースは出さないという方針でしたが、これははっきり言って、両方の開発チームにとって膨大な作業となりました。

 両者の連携が完了しましたので、われわれは今後、もっと定期的なスケジュールで継続的なリリースを行う方針です。

       1|2 次のページへ

Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.

注目のテーマ