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» 2005年11月29日 07時53分 公開

中小企業のためのIT活用業務歳時記:中小企業のCIOは誰がやる?――コンピュータおたく社長の奮闘 (1/2)

コンピュータ好きなA社長はITを活用した業務改善を行ってきた。しかし、同社の外部環境が厳しくなりITによる経営革新の必要に迫られているが、どうして良いか分からないでいる。

[木村玲美,ITmedia]

 中小企業においてもCIO(Chief Information Officer)と呼ばれる戦略的な情報化投資を推進する「情報担当役員」の必要性が叫ばれるようになってきた。経済産業省でも「中小企業CIO育成検討委員会」が設置され、10月からCIO養成研修コースウェアの開発について検討が開始されている。

 しかし、経営と情報戦略を結び付けることのできる、CIOになり得る人材が中小企業に果たしているだろうか?

2代目社長は無類のコンピュータおたく

 あるニッチな業界でトップブランドの座を誇る製造業のA社長(50歳)は、無類のコンピュータ好きだ。好きが高じて、パソコンショップを経営していたこともある。データーベース設計もお手の物だ。同氏の会社は東海地方に本社があり、創業者の父親の後を継いで2代目として事業を継承した、従業員40名弱の中小企業である。

 しかし取引先は斜陽産業が多く、このままでは同社も先細る。経営革新に迫られている。今日も「経営革新のための経営戦略、情報化戦略を策定する研修会」に参加しているところだ。

 A社長は買ったばかりのタブレットPCを机の上に出し、講師の話をタッチペンで熱心にメモを取っている。休み時間には、「最近のタブレットPCは手書き認識がかなり良くなって使えるようになってきた。もう普通のノートPCなんていらないよ。今度8インチくらいのが出たら買うつもりだ。持ち運びも苦にならないからね」と周りの受講生にも自慢している。

直感的に事業デザインとリンクしたIT活用を実現

 実はこの2週間前、A社長は会議の場で社員とおそろいのPDAを広げタッチペンを走らせていた。同氏によると、そのPDAはもう販売中止になるので次のツールを探していると言っていた。そこで、タブレットPCの手書き認識の精度が上がったので試しているとのことだ。新しい機器が出るとポケットマネーで購入し試してみる、そして使えそうだったら会社として投資する。使えなかったら社員にあげるということらしい。

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