「コンテンツが主役の時代では、テクノロジーに裏打ちされたビジネスモデルが必要」──日本SGIの和泉氏は、同社が開催したフォーラムで、これまでは脇役でしかなかったコンテンツの重要性をアピールした。
「コンテンツが主役の時代では、テクノロジーに裏打ちされたビジネスモデルが必要」──日本SGI代表取締役社長兼CEOの和泉法夫氏は、「日本SGI ソリューション・キュービック・フォーラム2006」の基調講演で、これまでは脇役でしかなかったコンテンツの重要性をアピールした。
和泉氏は、インターネット通販の売り上げが百貨店のそれに迫っていることや、Googleが文字から画像、映像、そして3Dへと扱う領域を拡大してきたことなどを挙げ、「ここに来られた皆さまの関心事は、すでにコンテンツの時代が立ち上がっているのか、それとも立ち上がる途中なのかということだと思う。その答えは、“もう立ち上がっている”だ」と断言する。
そしてキーワードとして、「コンテンツのクオリティー」「テクノロジーに裏打ちされたビジネスモデル」「インフラのさらなる進化」の3つを挙げ、CIO(最高情報責任者)が考えるべきは、従来と大きく異なり、コンテンツの管理・運用を意識したシステムの構築・運用であると話す。
「プログラマー以上にクリエイターの存在が重要になり、システムにもDRM(Digital Rights Management)といった仕組みが求められる。ERPなどの業務アプリケーションが必要ない、ということではなく、求められる発想が違う時代となっている」(和泉氏)
つまり、差別化要因はリッチコンテンツであるとし、その実現のためには、CLM(Contents Lifecycle Management)のような仕組みが必要であるというのだ。
続いて開催されたゼネラルセッションでは、コンテンツ時代において考えるべき課題を、和泉氏を含め、コンテンツ時代を知り尽くした7人が話し合った。
各人ともコンテンツ時代であることを強く主張したが、中でも東京大学、国際・産学共同研究センターの安田教授は、流通において海という障壁が存在しないコンテンツを、これからの日本の重要な産業とすることが重要だと話す。
「コンテンツ輸出大国となるには、誰しもがクリエイターとして活躍できるような環境作りと、コンテンツに対する意識を高めることが必要」(安田氏)
そうした時代において、モラルをどこに求めるのかという問題も提起されたが、コロムビアミュージックエンタテインメント代表執行役社長兼CEOの廣瀬禎彦氏が、コンテンツの質を判断できる“目利き”の必要性を訴えた。
その上で安田氏は、違法コピーや視聴制限には影響されず、かつ、データを活用するために必要なメタデータの整備やアーカイブ化が必要不可欠であると述べるなど、1億総クリエイター化を提唱した。
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