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» 2005年11月17日 02時31分 公開

ユビキタス・モニタリングはビジネスに何をもたらすのか?

日本SGIのユビキタス・マイクロサーバ「ViewRanger」の用途開発が広がってきた。ここでは拡大するViewRangerのソリューションについて見ていこう。

[丸山隆平,ITmedia]

 日本SGIのユビキタス・マイクロサーバ「ViewRanger」の用途開発が広がってきた。同サーバは「手のひらサイズで世界最小・最軽量」をキャッチフレーズに、監視カメラ用のソリューションとして2004年6月に発表されたもの(関連記事)、現在までに総出荷台数が1万台に達するなど、その特長を生かしたウェアラブル・コンピューティングの用途が拡大していることをうかがわせる。

 11月29日、30日の両日に開催される同社の「ソリューション・キュービック・フォーラム 2006」を前に、同フォーラムでのViewRangerの見どころと合わせ、日本SGI営業企画推進本部副本部長の小澤広士氏に最新のソリューション事例を聞いた。

小澤広士氏 ViewRangerを手に今回のフォーラムの見どころを話す小澤氏

携帯電話からカメラコントロールが可能

 まず、監視カメラとしての新しい使い方として、ViewRangerに取り込んだ動画と音声をKDDIのWIN携帯電話で再生する活用法を挙げることができる。

 1台のViewRangerからADSL回線によりデータをKDDIの配信サーバに送ることで、1度に1000台もの携帯電話からアクセス可能とする。また、携帯電話から監視カメラのアングルをコントロールできるのも大きな特長だ。この活用例はKDDIが「WINライブカメラ」の名称で提供する計画となっており、「1対多」の通信が可能なため、多様なビジネス利用が考えられる。

 小澤氏は、このソリューションの利用シーンの一つとして、スーパーマーケットのタイムサービスの様子を動画と音声で携帯電話から見ることができるようすることで、集客に役立てるという例を挙げた。主婦が店から離れた場所にいても、陳列棚の様子をライブ中継で知ることができるわけだ。

 今回のフォーラムで日本SGIは、KDDIからも講師を招く予定だが、そこでは上記の事例のほか、オフィスモニター、店舗モニター、屋外モニターなどの活用事例が発表される予定だという。

クレーン作業現場の安全監視システム

 小型な筐体でモニタリングや記録を可能にするViewRangerは、屋外作業など危険を伴う仕事や、遠隔地からの指示による作業を行うような業種から熱い視線を向けられている。すでに工事現場の安全管理にヘルメットに装着したCCDカメラとマイク、イヤフォン を使って高所作業の確認・指示を行うシステムは紹介済みだが(関連記事)、この分野の活用事例として、今回新たにクレーン作業現場の安全監視システムを特許流通・技術移転の専門のコンサルタント会社であるウィンサイトと共同開発した。

 従来でもクレーンの先には監視カメラが備え付けられているが、クレーン運転者はこの1台のカメラからの垂直方向の映像しか見ることができず、吊り荷で死角が生じるなどの原因による事故を防ぐことができなかった。こうした事故を防ぐには、クレーン下の作業者を映す水平方向の監視カメラが必要となるが、垂直および水平方向のカメラを設置する使い方はウィンサイトが特許を所有している。そこで日本SGIは同社と共同し、ViewRangerによる建設・解体工事現場の安全監視システムを開発した。

 このシステムでは作業資材を搬入するトラックの誘導もクレーン操縦者が行える。また、作業の映像はクレーンの運転者だけでなく、オフィスに送信することも可能となっている。これを利用して、オフィスから複数の現場を監視したり、作業の映像を記録して事故が起きた際、その原因究明に役立てることもできる。「ゼネコンなどでの需要は多いと予想している」(小澤氏)。

従来のクレーン操作で死角となっていた部分を補う

電子測量機

 また、同じくウィンサイトと共同で、電子測量機も開発している。これまでの測量機は人間が目測し、記録する方式だった。「この方法は江戸時代の伊能忠敬のころから変わっていない」(小澤氏)。

 このため、測量者の技量で測量値が異なるといったケースが発生することとなり、値の信頼性を確認するため、再度測量を行うといったことも頻繁に起こっていたという。

ウィンサイトと共同で開発した電子測量機

 新開発の電子測量機は、電子カメラとモニターを用いて正確な測量作業を行うが、ViewRangerを利用していることで、測量と同時にデータの記録や伝送を行うことが可能となっている。この電子測量システムの特許もウィンサイトが所有しているが、ViewRangerの存在がこのシステムを支えているといっても過言ではない。

 ここで紹介したものを含めたユビキタス・モニタリング・ソリューションの全体像は、「ソリューション・キュービック・フォーラム 2006」の初日となる11月29日のユビキタス・モニタリング・フォーラムで見ることができる。

ユビキタス・モニタリング・フォーラム 11/29(火) 13:30〜 ウェスティンホテル東京 B1F
【基調講演】
ユビキタス統合メディアコンピューティング
〜情報キャリア(インターネット)と情報コンテンツ(画像・音声メディアなど)の統合と融合〜


奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科長  千原國宏教授
ユビキタス実践企業の現状と先進企業のビジネス戦略を探る

日本SGI 営業企画推進本部副本部長 小澤広士氏
【現場業務が変わる】
建設・土木現場が変わる安全システム


ウィンサイト代表取締役社長 小山文和氏

多店舗運営における安全安心のためのお手軽モニタリング

中和石油情報システム部長 横尾聡氏

【モニタリングビジネスが変わる】
携帯電話への映像配信を活用した新たな法人市場の開拓


KDDIソリューション商品開発本部ソリューション企画部課長 佐々木浩之氏

NEC WNXマイクロサーバ戦略
ユビキタスモニタリングソリューションへの挑戦


日本電気公共ネットワークソリューション事業部統括部長 星名一帥氏

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