ネットワーク+SOAで「SONA」、シスコが新コンセプト発表

米Cisco SystemsのCEO、ジョン・チェンバース氏は、米サンノゼで開催したアナリストカンファレンスにおいて、2008〜2010年に向けた新しい製品コンセプト「SONA」を発表した。

» 2005年12月07日 21時00分 公開
[富嶋典子,@IT]

 「SONA(Service-Oriented Network Architecture)は企業のIT資産のすべてのコンポーネントを IPネットワークという共通のプラットフォーム上で再構築するためのアーキテクチャである。これは顧客主義のアーキテクチャであり、企業のIT資産やアプリケーションを柔軟に最適化する」

チェンバース氏 米Cisco Systems CEOのジョン・チェンバース氏

 米Cisco SystemsのCEOのジョン・チェンバース(John Chambers)氏は12月6日(米国時間)、米国サンノゼで開催したアナリスト向けの年次カンファレンスで講演し、2008〜2010年に向けたCiscoの新しい製品コンセプト「SONA」を発表した。

 SONAを構成するのは次の3層。データ、音声、動画を統合する「ネットワークインフラ」層、ビジネスプロセスを効果的にする「相互サービス」層、ビジネスアプリケーションとコラボレーティブなアプリケーションの能力を引き出すための「アプリケーション」層である。

 ネットワーク層にはサーバやストレージ、PCクライアントが配置される。相互サービス層にはセキュリティやモバイル、ストレージ、音声メッセージングなどのインタラクティブなサービスが位置する。アプリケーション層は、ミドルウェアやアプリケーションプラットフォームがくる。

 Ciscoは、アプリケーションサービスやミドルウェアプラットフォームをユーザーに提供するため、アクセンチュア、ベリングポイント、EMC、ヒューレット・パッカード、IBM、マイクロソフト、SAPなどとソリューション開発で協力する。

 チェンバース氏は「いまや多くのユーザー企業が、IT資源の統合により引き起こされる問題や、ビジネスアプリケーション活用で困難に陥っている」と指摘した。そのうえで、「アプリケーションの問題解決のために、Ciscoのネットワークの経験と知識を役立てていきたい」と述べた。

 SONAは、Ciscoが次世代技術として開発に取り組むと発表した「Application Networking Services」が核となる。複雑になりがちな企業のビジネスアプリケーションの問題を、ネットワークインフラを最適化することで解決するという考え方。

 チェンバース氏は、「一説では、ERPやCRM、SFAなどのビジネスアプリケーションを導入・運用すると、ネットワークのトラフィックが3〜5倍に増えるといわれている。Application Networking ServicesとSONAを導入することで、ユーザー企業は物理的なコストを最低限に抑えつつ、効果を最大限に引き出し、本来のビジネスアプリケーションの性能を知るだろう」と新コンセプトへの自信を見せた。

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