トランスコスモスが韓国の東部情報技術と戦略提携、アジアでの事業展開へ

トランスコスモスは、韓国の東部グループにITサービスを提供する東部情報技術(Dongbu Information Technology)と、5%の出資を含めた戦略提携を結んだと発表した。

» 2005年12月13日 16時33分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

 トランスコスモスは12月13日、都内のホテルで記者発表会を行い、韓国の東部グループにITサービスを提供する東部情報技術(Dongbu Information Technology)と、5%の出資を含めた戦略提携を結んだと発表した。これにより、コンタクトセンターなど基幹系を含めたバックオフィスのシステム構築やBPO、防災エンジニアリング、IT水準診断事業、人材確保などを協力して行う。トランスコスモスは、同社と協力することで、韓国市場の開拓、さらに、中国、ASEAN市場でのビジネス展開も視野に入れている。

トランスコスモスの取締役副会長を務める谷澤寿一氏は、「日本から韓国に進出する日系企業や外資系企業、地元の韓国企業向けに、ヘルプデスクやコールセンターをはじめ、最先端のテクノロジーを融合したコンサルティングやシステム開発を行う」と話した

 提携により両社は、安定的収益モデルの確保、グローバル人材の養成、日韓共同での中国向け事業展開などの効果を期待している。また、東部情報技術が66%、トランスコスモスが34%を出資することで、日本法人「東部情報技術ジャパン(仮称)」を設立し、日本でソリューションを流通させるための基盤を確保する。

 また、売り上げ増大効果は、2006年はBPO関連事業や新技術基盤システムインテグレーションで55億ウォンにとどまるが、2010年には、東部情報技術の日本法人の売り上げが500億ウォン、中国を含めた3カ国間の協力事業が400億ウォン、BPO関連事業が300億ウォン、合計で1500億ウォンと大幅な増加を見込んでいる。

 韓国・ソウル市の東部グループは、1969年設立、従業員は1万1943人(2005年1月末)と大規模な企業として、素材、科学、建設/物流、金融の各部門を抱えている。売上高は8万3350億ウォン(日本円で約8300億円)に上り、韓国の財閥別の事業規模では2004年現在で13位となっている。

日本でのビジネス展開を強化するために提携に踏み切った東部情報技術の金弘基(キム・ホンキ)氏

 東部情報技術は同グループにITサービスを提供する企業であり、コンサルティング、システムインテグレーション、データセンター事業、BPOなどを展開している。

 同社の強みは、いわゆるリアルタイムエンタープライズの提供という。例えば、RFIDを活用してビジネスプロセスの計画と実績の差を最小化したり、業務要件への柔軟な対応を可能にしたりといったサービス提供により、ユーザー企業を支援するとしている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ