SOA開発の簡素化を目指すApacheの「Tuscany」プロジェクト(2/3 ページ)

» 2005年12月13日 17時11分 公開
[Darryl K. Taft,eWEEK]
eWEEK

 SCAは、BEA、IBM、Iona Technologies、Oracle、SAP、Siebel Systems、Sybase、そしてパリを本拠とするXcaliaが開発した規格セットである。SCA規格は、特定の技術や言語に依存することなしにサービスの作成、構成、組み立てをサポートするコンポーネントモデルを定義する。

 一方、一部の観測筋によると、TuscanyはSCAのラインタイムプロトタイプをベースとしたオープンソースプロジェクトだという(BEAとIBMがそう言っているわけではない)。両社は数カ月前から、このプロトタイプの開発を進めているようだ。

JBossのフラーリー氏、IBMとBEAを批判

 関係者の多くは、IBMやBEAの思惑に関する意見をオフレコでしか語ろうとしないが、歯に衣着せぬ発言で知られるJBossの指揮官マーク・フルーリ氏は、黙ってはいない。

 フルーリ氏は自身のブログで、SOAは「クローズドなSOA標準を目指した新たな策動だ」と指摘する。

 この問題に関する長文の投稿の中で、フルーリ氏は次のように述べている。

 「SunがSeeBeyondの技術をオープンソース化したことに対するIBMとBEAの回答がSCAではないか。あるいはその逆かもしれない。いずれにせよ、これが問題の核心であるとは思えない。しかし、IBMとBEAがJCP(Java Community Process)を避けようとしているのは確かだと思う。JBossがJCPに参加したことで何が起きただろうか。それは、Java EE(Enterprise Edition)の急速なコモディティー化だ。われわれは短期間でJava EEのナンバーワンベンダーになった。要するに、信頼できる独立したオープンソース組織によって標準技術が実装されているのに、なぜ標準をめぐって競争しなければならないのかということだ。われわれがJCP EC(JCP執行委員会)に加わって標準化を達成し、ボリューム出荷でリーダーシップを握ったとき、IBMが対抗する動きに出たのは知っている。彼らはそのためにGluecodeを買収したのであり、現在、その後始末をしているのだ」

 フルーリ氏は、JBossは今後も巨大な競合企業を悩ませるだろう、と自信をのぞかせる。「われわれはJava EEを素早くコモディティ化し、ボリュームでリーダーシップを確保した。彼らは、大金を注ぎ込んだSOAやインテグレーションの分野で同じことが起きないのを切望しているのだ」と同氏はブログに記している。

 「さらにひどいことに、IBMとBEAはApacheにおいてTuscanyを“オープンソース化”しようとしている」とフルーリ氏は付け加える。

Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.

注目のテーマ