暗黙知の断絶こそが2007年問題の正体構造改革としての2007年問題(2/2 ページ)

» 2006年01月10日 09時15分 公開
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残る若手社員が新しい歴史を作る

 スキルの継承の可能性について、川添氏は、「技術的な部分はある程度継承できますが、特殊なノウハウや、背景、いきさつなどは引き継げないでしょう。ベテランたちは30年以上それを背負ってきたわけですから。残る人たちは、自分たちで新しい歴史を作っていけばいいのです」と語る。

 これまでも、ITの導入では大なり小なり業務を見直しつつ、システムに合わせて過去の方式を捨ててきた。これからだってできないわけではない、というのが川添氏のメッセージだ。例えば、情報システム部門が業務調整機能を持つケースでは、継承すべきものは多量かつ重要である可能性が高い。

 ベテランが在籍している今、若手と一緒に業務と情報システムを作り直すという選択肢もある。そうすれば、システムが新しくなると同時に、若手にも経験する機会を与えられ、暗黙知の再構築が実現することになる。

 「ただ、今より2000年頃の方が、危機感を唱える声は大きかったように思います。情報化を先んじた企業は、ほかの企業より早く継承問題が始まっていたのかもしれません」と川添氏が指摘するように、2007年を待たずして“その時”はもう始まっているようだ。

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