「2007年問題」への対応方法は幾つかある。1つが旧システムを思い切ってERPパッケージで刷新する方法だ。「将来の大企業」を目指して急成長中のベンチャー企業のERP導入を取材した。
「2007年問題」(関連特集)が企業の情報システムに影響を及ぼしたときの対応方法は幾つかある。その1つが、旧システムを思い切ってERPパッケージで刷新する方法だ。
長野県東御市の急成長企業であるミマキエンジニアリングは、2007年問題そのものに遭遇したわけではないが、旧システムの限界を乗り越えるためにERPであるOracle E-Business Suiteを導入。企業のグローバル化に対応する連結決算処理の早期化に挑戦しており、システムの刷新を図った例としては、非常に参考になるケースだ。池田明社長に、同社のビジネスとそれをサポートする情報システムについて話を聞いた。
ミマキエンジニアリングのビジネスは、看板用のインクジェットプリンタの製造販売だ。街で華やかな電飾看板や、バスの駅構内の料金表、公共バスのデザイン(バスラッピング)などを見かけたら、特殊技術をコアにしたミマキエンジニアリングのプリンタ製品によって描かれたものかもしれない。
一般的なプリンタ製品と異なり、立体素材や特殊素材など、さまざまな素材にデジタル形式でダイレクトプリントできる点で他社との大きな差別化を実現している。
2000年に58億円程度だった売上高は、2001年度に76億円、2002年度に94億円と順調に伸び、2003年度には目標の100億円を大きく上回る142億円(連結149億円)を達成した。2004年度には171億円(連結 166億円)さらに、2005年度は単独で180億、連結で200億円も視野に入っている。日本企業らしい繊細な技術力をコアに、世界規模のビジネス展開を目指す優良ベンチャー企業と言える。
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