Live Communication Server対応の新しいWebクライアントが登場(2/2 ページ)

» 2006年02月22日 07時00分 公開
[Peter Pawlak,Directions on Microsoft]
Directions on Microsoft 日本語版
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 コンシューマー向けのIM/ボイスオーバーIP(VoIP)/プレゼンスサービスであるMicrosoftのMSN Messengerについても、MSN Messengerデスクトップクライアントのほかに、WebクライアントのMSN Web Messengerが提供されている。

 OCWAはOWAと同様、通常AJAXと呼ばれているAsynchronous JavaScript and XML技術を用いて、Webベースのユーザーインタフェース(UI)を有効にし、ドロップダウンメニュー、右クリックのオプション、動的スクリーンリフレッシュなどの要素をサポートしている。だが、これは同時に、AJAX互換ブラウザの使用が必須だということでもある(MicrosoftはInternet Explorer 6.0 SP1、Firefox 1.0、Mac OS 10.3.7以降でのSafari 1.2.4、およびNetscape 7.2以降でOCWAをサポートしている)。

 Office Communicatorクライアントをインターネットから正しく動作させるためのネットワークの設定は複雑だが、インターネットユーザーがOCWAを利用できるようにするための設定は容易だ。LCSベースの社内の企業向けIMシステムへのブラウザベースのインターネットアクセスを可能にするためには、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)がOCWAサーバまで通過するようファイアウォールのルールを設定する以外に特にすべきことはない。VPN接続も必要ない。ユーザーのログオンとデータトラフィックはすべてセキュアHTTPで暗号化されるため、アクセスのセキュリティは確保される。

制限とシステム要件

 OCWAはユーザー負荷が小さい場合には1台のLCS 2005サーバに配置できるが、多数のユーザーをサポートできるよう、サーバファームにインストールしてスケールアップすることも可能だ。顧客はLCS 2005 SP1(Standard EditionかEnterprise Edition)を稼動させる必要があるほか、OCWAサーバにはそれぞれ、Windows Server 2003 SP1、Internet Information Services(IIS)、.NET Frameworkのバージョン2.0が必要となる。OCWAは、Visual Studio 2005に合わせて2005年11月にリリースされたMicrosoftの新しいWebサーバ技術ASP.NET 2.0を利用する同社の第1弾の製品の1つだ。

 OCWAはUIの点では非常に優れたクライアントだが、それでもOCWAには以下のような制限がある。

IMに限られる
 OCWAはLCSのリモートコールコントロールとVoIPテレフォニー機能をサポートせず、ビデオ会議、データ会議、ファイル転送もサポートしない(Office Communicator 2005デスクトップクライアントを仮想専用ネットワーク接続なしでインターネット経由で使用した場合にも、これと同様の制限が当てはまる)。Communicatorとは異なり、OCWAは電話番号や部署名など、ユーザーの連絡先情報に関するActive Directoryの詳細を表示できない。

プレゼンス情報が限られる
 デスクトップクライアントとは異なり、OCWAはユーザーのマウスやキーボードの動作を探知できない(ユーザーが実際にOCWAクライアントを使用している場合を除く)。つまり、OCWAのデフォルトのアイドルタイムが経過した後は、LCSはユーザーがコンピュータの前から立ち去ったのか、それとも、まだコンピュータの前にいてほかのアプリケーションを使用中なのかを区別できない。

一部のブラウザでは、ポップアップブロッカーの問題が発生
 OCWAはポップアップウインドウを使って通知ウインドウや会話ウインドウを表示する。Internet Explorer 6ではユーザーのOCWA URLに対してポップアップを許可するよう設定できるが、Microsoftによれば、そのほかのブラウザでは、ユーザーが既に複数のIM会話ウインドウを開いている場合には、ポップアップブロッカーが追加の通知ウインドウや会話ウインドウをブロックする可能性があるという。

 Office Communicator Web Access(OCWA)は現在、英語版のみが提供されている。他言語バージョン(フランス語、ドイツ語、イタリア語、日本語、韓国語、スペイン語、簡体字中国語、繁体字中国語)は2006年初頭のリリースが予定されている。

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