Live Communication Server対応の新しいWebクライアントが登場（1/2 ページ）

Live Communication Server 2005向けの無料のWebベースクライアントが提供されている。このWebクライアントは、Office Communicator 2005デスクトップクライアントを補完はするが、完全にリプレースするものではない。

[Peter Pawlak，Directions on Microsoft]

　Microsoftの企業向けインスタントメッセージング（IM）／テレフォニー製品であるLive Communications Server（LCS）2005向けのWebベースクライアントが現在、LCSのライセンスを購入済みの顧客に無料で提供されている。Office Communicator Web Access（OCWA）と呼ばれるこのWebクライアントは、IMのやり取りやプレゼンス情報の表示など、LCSのOffice Communicator 2005デスクトップクライアントと同様の機能を実行するが、必要なのはブラウザのみだ。OCWAはOffice Communicatorデスクトップクライアントと完全な互角を意図したものではなく、例えば、公共コンピュータからアクセスする場合や、ロックされたPCや非Windows PCからアクセスする場合などのように、デスクトップクライアントをインストールできない、あるいはインストールしたくないユーザーがLCSのIM機能を利用できるようにするためのものだ。

Office Communicatorに似たインタフェース

　例えば、Microsoftの電子メールクライアントOutlookなど、いわゆるシッククライアントサイド（つまり、デスクトップ）向けのプログラムは通常、同じ機能を搭載するWebベースのシンクライアントよりも優れた性能とユーザビリティを提供するとされている。だが一方で、シッククライアントはユーザーのPC上でインストール、設定、継続的な保守を必要とし、特定のOS要件とハードウェア要件を備える。Webアプリケーションでは特定のブラウザ機能（例えば、ローカルシステムで特別なプラグインを実行するなど）が必要となるケースが少なくないため、もはやブラウザは完全なプラットフォーム非依存性を備えているとは言えないものの、ブラウザはシッククライアントよりも管理が容易で、柔軟性も高い。Microsoftは現在、多くのケースで、この両方のクライアントモデルをサポートしている。

　WebベースでOutlookを使用するためのExchangeのOutlook Web Access（OWA）と同様、OCWAはフル装備のCommunicator 2005デスクトップクライアントに対するWebベースの代替選択肢を提供する。どちらの製品においても、Webクライアント版にはデスクトップクライアント版の一部の機能が欠けており、Webクライアント技術とデスクトップクライアント技術には内在的な違いがあるため、ユーザーインタフェースも若干異なる。だがMicrosoftは、Webベースのクライアントに、デスクトップクライアントのルック＆フィールの多くを引き継ぐことに成功している。

Office Communicator Web Access対Office Communicator

　WebベースクライアントOffice Communicator Web Access（OCWA）のユーザーインタフェース（UI）と、Windowsのみに対応するデスクトップクライアントOffice Communicator（OC）2005は、非常によく似ている。左側がOCWAのメインウインドウで、会話ウインドウが左下に開かれた状態になっている。右側には、同様にOC 2005のメインウインドウと会話ウインドウが示されている。ただし、UIは似ていても、OCWAはOC 2005とは異なり、音声、ビデオ、データ会議機能にアクセスできないほか、ファイル転送もサポートせず、電話番号や部署名など、Active Directoryのユーザー連絡先情報も表示できない。