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» 2006年03月08日 07時00分 公開

Interview:Oracleとの絆やエコ・チップを語るSunの戦略担当SVP (1/2)

一時の冷却期間を経て、新たに絆が深まった盟友、Oracleとの関係や消費電力や発熱量を抑えたエコ・チップ、T1についてSunで戦略を担当するシンガー上級副社長に話を聞いた。

[栗原 潔,ITmedia]

3月初め、Oracle OpenWorld Tokyo 2006のためにSun MicrosystemsのStrategic Insight Office担当上級副社長、ラリー・シンガー氏が来日した。一時の冷却期間を経て、新たに絆が深まった盟友、Oracleとの関係や消費電力や発熱量を抑えたエコ・チップ、T1についてシンガー氏に話を聞いた。

ジョージア州政府のCIOを務めた経歴を持つシンガー上級副社長

ITmedia 「Strategic Insight Office」というファンクションは耳慣れないと思いますが、ラリーさんのSunにおける職務を教えていただけますか。

シンガー それは今日の質問で一番難しい質問かもしれないですね(笑)。

 私の任務はスコット(・マクニーリ会長兼CEO)の隣にいることです。私の反対側にはジョナサン(・シュワルツ社長兼COO)がいると思ってください。私は、顧客の代弁者として機能し、Sunが顧客のニーズと乖離したことをしないようにガイドをしていく立場にあるのです。

 Sunは素晴らしいテクノロジーを持った会社ですが、素晴らしいテクノロジーを持った会社は往々にして顧客のことを忘れがちになります。ITの歴史でも、そのような事例は数多くあります。私はSunがそのような過ちを犯さないように見張る立場なのです。

 これに加えて、戦略的パートナーとのリレーション管理、業種別マーケティング、社内ITのアウトソーシング・パートナーとのリレーション管理、競合分析などの職務も担当しています。

ITmedia シンガーさんのバックグラウンドはかなりユニークだと思うのですが。

シンガー そうですね。そもそも私はSunに入社する前は大規模顧客の一つであるジョージア州政府のCIOを担当していました。それ以前は、非営利団体やベンダーでも経験を積んできました。また、ハーバード大学で研究職に就いていたこともあります。これだけ多様なバックグラウンドを持っているのは珍しいと思いますし、そういった点からもSunの経営に貢献できると思っています。

RDBMSではOracleが戦略の中心

ITmedia シンガーさんは、今回はOracle OpenWorldで講演するために来日されましたが、SunとOracleの現在の関係について教えてください。

シンガー SunとOracleがずっと以前から良好な関係にあったのはご存じの通りです。両社は共に成長してきたといえます。昨年、両社の関係には多少の変化がありました。しかし、結局は両社の関係はこれまで以上に強固なものになりました。Oracleは64ビット版のソフトウェア開発にSolarisを採用していくこと、SunのT1プロセッサ向けのライセンス料金を引き下げるなどの発表を行っています。OSからミドルウェアまでのソフトウェアスタックを統合可能な形で提供するのがSunの戦略ですが、RDBMSの階層だけはOracleを採用していく方針です。

ITmedia 約1年前の情報ですが、Sunが独自のRDBMSを提供するという動きもあったと思うのですが。

シンガー それは既に方針転換されたと思ってください。あの時期、Oracleはグリッドによる水平スケーリングや「Unbreakable Linux」など、Sunとやや距離を置いた方向性を取り始めていたので、われわれとしては対抗策を考えざるを得なかったのです。

 しかしその後、Oracleも水平スケーリングやLinuxだけでは十分ではなく、Solarisの垂直スケーリングが必要であることを認識し、今回の発表に至りました。SunはPostgreSQLなどOracle以外のRDBMSも提供していきますが、RDBMSではOracleが戦略の中心です。両社の関係は今まで以上に強固になったということです。

ITmedia 今回は、エコプロセッサ、つまり、T1についても話をしたそうですが、同プロセッサへの市場の反響はどうでしょうか。

シンガー 市場の反響は極めて大きいといえます。消費電力もそうですが、発熱量が少ない点が特に評価されています。私は、以前ある日本企業の大規模センターを訪問したことがありますが、ほとんどのラックにサーバが半分しか搭載されていませんでした。放熱のために隙間を作らざるを得ないのです。サーバの発熱量を少なくすることによるコスト上のメリットは大きいはずです。Googleを例に取ってみましょう。彼らの最大のコスト項目は人件費でもハードウェアコストでもありません。電気代なのです。

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