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» 2005年12月07日 16時13分 公開

SPARC以来のブレークスルー、エコ・チップ搭載「Sun Fire CoolThreadsサーバ」

サンが環境に優しい革新的なCoolThreadsテクノロジーを搭載した新しいサーバ製品群を世界同時発表した。来年3月をめどにUltraSPARC T1の設計情報をオープンソース化することも明らかにされた。

[浅井英二,ITmedia]

 「1986年のSPARCプロセッサに匹敵するブレークスルー」──サン・マイクロシステムズのダン・ミラー社長は誇らしげに薄っぺらな筐体のサーバを紹介した。

 サン・マイクロシステムズは12月7日、新しいUltraSPARC T1プロセッサ(コードネーム:Niagara)を搭載したSun Fire CoolThreadsサーバ製品群を発表した。1Uのラックマウント型「Sun Fire T1000」は46万1000円という低価格ながら、性能が5倍、電力消費が1/5、スペースは1/4で競合他社の2ウェイ/4ウェイサーバを凌駕する。この日、ニューヨークをはじめ、世界各地で「Network Computing '05」が開催され、Sun Microsystemsは、「SPARC」「Solaris」「Java」という同社のイノベーションの歴史に新たな1ページを加えた。

 東京のイベントに駆けつけた同社ストラテジック・インサイト・オフィスのスティーブ・キャンベル副社長は、「毎週、300万人が新たにインターネットに参加しており、2015年には1兆ものデバイスが接続される。革新的なブレークスルーがなければ対処できない」とし、UltraSPARC T1に搭載されたCoolThreadsテクノロジーこそ「参加の時代」(Participation Age)を切り開くとした。

 劇的なユーザーの増加やそれに伴うアクセスの増加は、データセンターにキャパシティの増大という要求を突きつけているが、同時にそれは消費電力、空調、およびスペースの問題を引き起こす。こうした課題に対するSunの回答が、高性能と低消費電力を同時に実現するCoolThreadsテクノロジーだ。

 CoolThreadsテクノロジーが採用されたUltraSPARC T1プロセッサは、最大8つのコアを搭載し、それぞれ4つのスレッドを実行できる。すべてのスレッドがメモリ空間を共有するため、いわば32ウェイのSMP(Symmetric Multiple Processor)システムがチップ上に載った格好だ。

 UltraSPARC T1は、エッジサーバやアプリケーションサーバの用途に適したプロセッサだが、個々のスレッドの処理能力を高め、バックエンドサーバ用途に適したプロセッサ(コードネーム:Rock)の開発も進められているという。

マルチコア・マルチスレッドでエコロジー

 CoolThreadsテクノロジーのベースとなっている「Chip Multithreading」(CMT)技術は、プロセッサの高速化に対してメモリのスピードが追いついていかないというギャップを逆手に取ったもの。Sunは2002年7月、Afara Websystems買収によってこの技術を手に入れている。メモリのレスポンスをただ待つのではなく、次のスレッドを処理させる手法によって、1つのコアで複数のスレッドを同時に処理できるという仕掛けだ。

 例えば、ネットワークパケットの処理と計算を同時に行えれば、それだけスループットは改善できる。1つのタスクを高速に処理する機能を追求するのではなく、同じダイの上にマルチスレッド対応のコアを複数個載せることによって、デザインの簡素化を図ろうというものだ。

 1GHzという控えめなクロック周波数で動作するUltraSPARC T1は、消費電力をわずか73ワットに抑えることができ、それだけ発熱も少ない。クロック周波数の追求に限界を感じたIntelもマルチコア、マルチスレッド化の道を歩み始めているのはご存じのとおりだ。

 しかし、こうした性能を十分に引き出すには、OSやアプリケーションの最適化が必要となる。その点、SunにはほかのOSを寄せ付けないSolarisがある。しかも、バイナリー互換はこれまでどおり、一貫して保証され、アプリケーションを書き換える必要はないという。

サーバ評価の新尺度「SWaP」

 Sunは、新しいSun Fire CoolThreadsサーバを投入するに当たり、サーバ評価の新しい尺度として「SWaP」(Space、Watts、そしてPerformance)を提唱する。

 XeonマシンやPower5+マシンを凌駕するパフォーマンスを叩き出すSun Fire CoolThreadsサーバだが、性能/(スペース×ワット数)というSWaP率によって低消費電力や省スペース性を盛り込めれば、さらにその優位性を際立たせることができるからだ。

 ちなみに、IBM p5 550 4ウェイPower5+に対する「Sun Fire T2000」のパフォーマンスは76%増と十分優れた数値を示しているが、SWaP率をはじき出すと8.2倍とその差が大きく開く。環境に優しいエコ・プロセッサを強調し、SWaPを提唱する狙いはそこにある。

 キャンベル氏は、来年3月をめどにUltraSPARC T1の設計情報をオープンソース化することも明らかにした。LinuxやFreeBSDが使えるようになることが期待できるほか、新しいシステム、新しいアプリケーションが生み出されることも期待できるという。

 価格は、1.0GHz UltraSPARC T1 6コア、2Gバイトメモリ、ディスクレスの構成で46万1000円からとなっている。

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