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» 2006年03月09日 07時00分 公開

MS初のセキュリティサービス「Windows OneCare Live」の詳細が明らかに (2/2)

[Michael Cherry,Directions on Microsoft]
Directions on Microsoft 日本語版
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 Windowsに組み込まれているユーティリティと比較して、OneCareの最大のメリットは、Windows XP SP2で導入されたWindowsセキュリティセンターと同様の状態ページが用意されていることだ。ユーザーはこのページから一元的に、セキュリティやクリーンアップ処理の状態情報を参照したり、必要なサービスすべてがWindowsの保護と調整を自動で実行しているかを確認したりすることができる。例えば、OneCareの情報ページでは、バックアップが必要な新しいファイルを確認したり、状態ページから直接適切な処理(バックアップの開始など)を実行することが可能だ

Windows OneCare Liveの状態ページ
Windows OneCare Liveの主要機能の1つは、状態ページだ。このページから、PCの現在の保護状態やパフォーマンスの状態を確認することができる。この図の例では、PCの状態は良好("Good")で特に必要な対処はない。また、ウイルスのスキャン、バックアップやチューニングの開始、ユーザーアカウントの管理、OneCareを制御するための設定の参照や変更、サブスクリプションの購入や更新など、ほとんどの作業をこの状態ページから実行することができる。


 OneCareの各サービスには既定の設定が施されており、一般的な状況ではユーザーが設定を行わずに済むようになっている。ただし、ダイアログボックスを利用して、自動チューニングの実行時刻などOneCareの設定を変更することは可能だ。

 またOneCareの情報ページには、重要な新しいワームやウイルスなどのセキュリティ上の脅威に関する情報や、PCを引き続き保護するために取るべき対応策も表示される。

パートナー企業への影響

 現在までMicrosoftは、ウイルスやスパイウェアの検出と除去機能をはじめとして、OneCareに含まれるサービスの多くの供給をMcAfee、Symantec、トレンドマイクロなどのパートナーに依存してきた。Microsoftの推定では、PCユーザーの実に70%がマルウェアの検出および除去ソフトウェアの最新版を利用していないという。

 このようなPC保護が徹底されていない状況は、ユーザーがこれらのプログラムを入手できないことが原因ではない。新しいPCの大半にはアンチウイルスおよびアンチスパイウェア製品がプリインストールされており、数カ月から1年の間は無償でアップデートが可能である。問題は、その後ユーザーがサブスクリプションを更新し(料金を支払い)、継続してアップデートを行うかどうかだ。どのセキュリティプログラムも有効期間の終了時期が迫るとサブスクリプションを更新するよう通知しているが、Microsoftという強力なブランド力をもってしても、このような既存の競合製品を上回るサブスクリプションの更新率をOneCareが実現できるという保証は何もない。

 Microsoftによると、ユーザーは通常、無償で提供されるアンチウイルスやアンチスパイウェア製品の試用期間が過ぎても、正式版の購入やサブスクリプションの更新を行わないという。ユーザーのほとんどが、このような製品の価値や、新しいウイルスまたはスパイウェアの署名(特定の脅威を識別するためのマーカー)情報を入手するために更新が必要であることを十分に理解していないのが実情だ。しかしMicrosoftは、OneCareはマルウェアに対する保護だけでなくPCのパフォーマンス調整機能も備えているうえ、状態ページやその他のステータスインジケータを通じてユーザーとのやりとりが常時発生するため、従来のアンチマルウェア製品に比べてOneCareのサブスクリプションを更新する意義は理解されやすいとしている。

 セキュリティ上の脆弱性の問題から、Microsoft製品に対しては否定的なイメージが生まれている。また、ここ数年で組織的かつ高度なスパイウェアやフィッシング攻撃が劇的に拡大したことで、ユーザーの多くは、自身やコンピュータの知識のない家族の一員がPCを使用することに警戒感を抱くようになっている。これほどまで多くの脆弱なコンピュータが存在することを考えると、Microsoftがセキュリティソフトウェアを提供するという形でPC保護の推進に乗り出したのももっともであると言える。

対応OSはXP SP2とVistaのみ

 OneCareの対応OSは、Windows XP SP2およびVistaのみである。それ以前のバージョンのWindowsのサポートについては、引き続きパートナーの製品に依存することになる。

 Vistaには高度なセキュリティ機能が搭載されるが、同OSにOneCareは組み込まれない見込みだ。ユーザーは、Microsoftや他のベンダーが提供するセキュリティソフトウェアを追加で導入し、保護対策を採る必要がある。

 また、Microsoftは自社のサービスが、既に市場に存在している他のサービスと少なくとも同等であることを証明する必要がある。自社製品の脆弱性に対して修正プログラムを提供してきた実績は十二分にあるものの、通常このような修正プログラムが公開されるまでは数週間におよぶテストが実施される。一方、専業のアンチウイルスベンダーは、通常は数日以内に緊急の脅威(新しいトロイの木馬攻撃など)に対応している。同社は、OneCareがパートナー各社の提供する実績ある製品と同程度の信頼性を備えていることをユーザーに示さなければならない。

提供情報

 Windows OneCare Liveの新しいβ版は無償で公開される(ただし、米国内のみ)。現在の対応OSはWindows XP SP2版のみだが、将来的にはWindows Vistaにも対応する予定である。また、2007年には英語版以外のOneCareのβの提供が予定されている。新しいPCへのプリインストールという形態でのOneCareの提供をPCメーカーと協議していくかどうかについては、不明である。

 OneCareは年間50ドルで、1世帯につき最高で3台のコンピュータにインストールすることができる。シングルPC用のオプションはないため、一家に1台しかPCがない場合でも、年間の使用料は50ドルになる。また、4台のPCがある場合は、この3台対応のサブスクリプションを2件購入する必要がある。

 2006年4月1日〜4月30日にOneCareのβプログラムに参加したユーザーは、特典として初年度のサブスクリプションを約20ドルで購入できる。OneCareのサポートは、年間サブスクリプションのサービス内容に含まれ、Microsoft製品サポートにより電話、電子メール、またはオンラインチャットを通じて提供される。

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