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» 2006年03月14日 07時00分 公開

Vista搭載のメールクライアントは広告表示型に? (1/2)

Windows Live Mail(Hotmailの後継サービス)へのオフラインアクセスを提供する広告サポート型の新しいクライアントアプリケーションの提供が予定されている。同製品が成功を収めれば、広告サポート型コンシューマーソフトウェアの提供に向けて大きく道が開かれる可能性がある。

[Matt Rosoff,Directions on Microsoft]
Directions on Microsoft 日本語版

 Hotmailの後継サービスになるWindows Live Mail対応の広告サポート型電子メールクライアントが提供される予定だ。同クライアントは、Windows Live Mailへのオフラインアクセスのほか、他の電子メールアカウントへのアクセスやRSS(RDF Site Summary)フィードなどの機能を提供する見込みである。MSNは同クライアントの投入により、新たな広告提供チャネルを手に入れることになる。また、広告サポートモデルを用いた他のコンシューマーソフトウェアの提供に向けて道が開かれる可能性がある。しかし、Microsoftは既にユーザーが選択に迷うほど多くの電子メールクライアントや電子メールサービスを提供している。既存の製品やサービスの中には、将来的に変更または提供中止が余儀なくされるものもあるだろう。

広告サポート型電子メールクライアントを中核に

 2006年2月にMSNは一部のユーザーを対象に、コード名でWindows Live Mail Desktop(WLMD)と呼ばれるデスクトップ型の電子メールアプリケーションのβテストを開始した。WLMDは2006年末に無償でダウンロード提供される予定である。メインの機能は、Windows Live Mailにブラウザなしでアクセスし、メッセージをオフラインで保存する機能である。また、POP3アクセスやIMAPアクセス、複数のアカウントの管理、スパムフィルタなど他の一般的な電子メール機能も搭載されるほか、比較的ユニークな機能として、RSSフィードの管理機能と送信前に自動的に画像ファイルのサイズを変更する機能も備える見込みである。

 WLMDでは広告を表示する予定だが、オフライン時にどのような形で広告を表示するかについては未定である。例えば、単純に最後にダウンロードされた広告を表示することも考えられるし、ローカルにキャッシュされている広告を再表示することも考えられる。

 WLMDは、無償の電子メールクライアント、広告サポートモデル、ローカルに保存したメッセージへのオフラインアクセス機能の3要素を統合したMicrosoft初の製品となる。WLMDが成功を収めるには、デスクトップ電子メールクライアントでの広告の表示をユーザーが進んで受け入れる体制にあることが必須条件だ。また、サブスクリプション(Hotmail PlusやOutlook Liveなど)による収入の減少分を、広告売上によって穴埋めできなければならない。しかし、MSNの既存のサブスクリプションサービスはユーザー数も収益も拡大しているものの、ダイヤルアップISP事業の衰退をカバーできるほどではないため、MSNはこれらのサービスを犠牲にする構えである。2005年6月30日までの一年間で、インターネットアクセス以外のMSNサービスのサブスクリプション数は450万件から640万件に増加しているが、これらのサービスおよびトランザクション(音楽ダウンロードなど)による増収は8400万ドルでしかない。一方、MSN Internet Access(インターネット接続サービス)の解約ユーザー数は160万人に上り、2億1900万ドルが失われている。

 またWLMDは、他企業のWeb電子メールサービス、特にGoogleのGmailやYahoo!メールに対するMSNの競争力強化にも貢献できる可能性がある。Microsoftはデスクトップ電子メールクライアントの開発においては長年の実績があるが、競合企業は一から取り組まなければならない(WLMDはOutlook Expressを基盤に開発される)。

 WLMDが成功を収めれば、Microsoftはほかにも広告サポート型のソフトウェアをリリースできる可能性が広がる。最も可能性が高いのは、エンカルタやMoneyなど、既にオンラインコンポーネントを備えているコンシューマー向けソフトウェアパッケージである。一方WLMDの登場により、Outlook Expressなどの無料のクライアント製品が終焉を迎える可能性がある。これらの既存の電子メールクライアント製品は、包括的な機能を提供しているが、同社の収益増加には結びついていない。

既存の電子メール製品およびサービスの行方

 WLMDの機能の多くはMicrosoftの他の電子メールクライアントおよびサービスの機能と重複しているが、当面の間既存のクライアントやサービスはすべて引き続き提供される見込みだ。しかし、ビジネスの観点からすると、各製品やサービスが持つ存続の可能性は一様ではない。

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