米Glimmerglassの“NGN仕様”光コアスイッチ、国内はテリロジーが販売

テリロジーは3月中旬より、米Glimmerglass社の光スイッチ「Glimmerglass System」を販売開始する。独自技術による3次元MEMSを搭載し、低消費電力、省スペースなどの特徴を持つ。

» 2006年03月14日 09時35分 公開
[堀見誠司,ITmedia]

 テリロジーは3月中旬より、米Glimmerglass社の基幹通信網向け光スイッチ「Glimmerglass System 100/300/500」の販売を開始する。

 Glimmerglass社は2000年に設立された、光学スイッチに関して15の特許を保有する光スイッチの専業ベンダー。米カリフォルニア州に本社を置く。国内ではテリロジーは販売代理店契約を結んでいる。

Glimmerglass System 500 Glimmerglass System 500

 Glimmerglass Systemは、電気信号に変換処理することなく光信号の交換が可能な光クロスコネクト装置である。光信号を光のままスイッチングするため、波長に依存せず高速化が図れ、同じハードウェアで通信環境の変化に柔軟に対応できるメリットがある。光の入力/出力ポート数として、2RUのSystem 100が16×16、8RUのSystem 500では最大160×160を搭載する。オプションで28×48といった非対称の構成を取ることも可能で、光マルチキャスト機能により映像の同時配信などにも対応する。

 最大の特徴は、Glimmerglass独自のナノテクノロジーによる3次元MEMS(Micro Electro Mechanical Systems:超微小の電気機械部品)を採用したこと。静電気により微小のミラー(鏡)を傾斜させ、光信号の反射方向を3次元的に変えることで光損失変動を最小限に抑えながら、大規模化と動作の安定化を図った。また、消費電力が最大80Wと小さく、光伝送装置の伝送能力の1つの指標となる光挿入損失(光信号が減衰する度合い)の低さもセールスポイントだ。シングルモードファイバの場合、40〜60kmの伝送距離を実現する。

 「(対抗となる)米Calient Networksの製品よりも、設置スペース、ランニングコストの点で優れている」(テリロジー)。

 管理プロトコルとしてTL1をサポート。管理用のWebインタフェースは日本語化されており、ファイバにおける光の強度の監視や接続といった作業を行える。

 価格は、16×16ポート構成のSystem 100が税別で1324万円から。

 テリロジーでは、Glimmerglassの光スイッチを通信事業者や官公庁、通信機器メーカー、IX事業者を中心に販売していく計画で、初年度5億円の売上を見込む。国内ではテリロジーのほか、NTTリースがGlimmerglassに投資を行っている。テリロジーは、「NGN(次世代ネットワーク)向けのシステムとして、(同社が取り扱う)米Anagranのフロールータとの組み合わせを顧客に提案していきたい」としている。

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