「次の大波はオープンサービス」――SunのCTO(2/2 ページ)

» 2006年03月16日 19時16分 公開
[Darryl K. Taft,eWEEK]
eWEEK
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 RAD Labによると、伝統的なウォーターフォールモデルは開発に時間がかかることが多く、ハイペースなインターネット時代にはそぐわないと批判されているという。

 インターネットサービスのコードは、十分なテストを行って、たまにアップグレードするというのではなく、何百万人ものユーザーに対応するよう製品がスケールアップされるのに伴ってオンザフライで修正される。「運用しながら修正する」というこのフィードバックループは迅速な配備を可能にするが、バグを修正する際に運用に支障が生じないようにするには、多数の技術サポートスタッフが必要になる、とRAD Labは指摘する。

仮想化レイヤ以下の層でのイノベーション

 パパドポラス氏によると、New Stackの仮想化レイヤ以下の層で起こるイノベーションは、物理的コンピューティング、ワークロードベースのパフォーマンス、階層型ストレージ、障害管理、セキュリティ/暗号化、ハイパフォーマンスコンピューティングなどの分野が対象となるという。

 「仮想化レイヤよりも下の部分では、非常に大きなイノベーションのチャンスがある」とパパドポラス氏は話す。「当社の20億ドルの研究開発予算は、この最下層のレベルに照準を合わせている。このモデルは、サービスネットワークの構成を示すビューでもあり、当社はSeeBeyondの買収を通じてこの課題に取り組んでいる」(同氏)

 さらにパパドポラス氏によると、オープンソースは基本的に開発者の自由を目的とするという。「オープンソースライセンスはエンドユーザーに対する効果を狙ったものではないが、結果的に市場での選択肢を広げるものである」と同氏は語る。

 パパドポラス氏自身も、オープンソースソフトウェアの大ファンだという。「わたしがMIT(マサチューセッツ工科大学)に在籍していたころ、リチャード・ストールマン氏が同大学のITセンターの天井裏で生活していた」と同氏は語る。ストールマン氏はフリー/オープンソフトウェア運動の指導者である。

 パパドポラス氏は、オープンソース方式はソフトウェア開発に混乱をもたらすものであることを認めつつも、「オープンソースは開発を迅速化するのではなく、透明性を高めるのだ」と述べている。

 サービスとしてのソフトウェアを提供する分野でのイノベーションの速度は、ビットの集合としてのソフトウェアを提供する分野のそれよりも速いと同氏は考えている。

 「サービスとしてのソフトウェア開発におけるイノベーションの速度は、従来型モデルよりもはるかに速い。その違いは、ソフトウェアをサービスとして扱えば、イノベーションの期間が大幅に短縮されることによるものだ。これは、開発者がサービスの開発に貢献するだけでなく、サービスの運用にも参加することによる」とパパドポラス氏は語る。この方式では、開発者は新しい機能を試験運用グループに公開した後、問題があればそれを引き戻すことができる。

 「『サービスとしてのソフトウェア』開発サイクルは、従来の開発モデルを葬り去るだろう。イノベーションとユーザー体験の両面で改善がもたらされる」(同氏)

 同氏によると、Sunはこれを可能にするためのインフラを提供するという。

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