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» 2006年03月17日 15時13分 公開

技術産業界が政府に支援要求――米国の競争力低下を懸念

米国の技術産業界は研究開発における研究の部分を徐々に放棄しつつあるようだが、このことが、米国の技術革新における競争的優位性の低下につながるとして米国産業界のリーダーたちが政府に支援を求めている。

[Caron Carlson,eWEEK]
eWEEK

 米国の技術革新における競争的優位性が、中国やインドといった国々より劣ってしまうことを懸念して、米国産業界のリーダーたちが政府に支援を求めている。

 Intel会長のクレイグ・バレット氏とIBMの技術および知的財産担当上級副社長であるジョン・ケリー氏は、3月15日に開かれた上院商務・科学・運輸委員会に出席し、数学および科学教育の振興を図り、ブロードバンドの配備を進めて、National Science Foundationなどの重要な研究機関に対する予算を拡大する法律を制定するよう、議員らに要請した。

 現在米国では、多くの科学者やエンジニアを生み出せていないことが憂慮されている。ネバダ州の共和党員であるジョン・アンサイン上院議員は、2010年までに、世界の科学者およびエンジニアの90%がアジアに拠点を置くようになると予想されると述べた。同氏は、コネチカット州選出のジョー・リーバーマン民主党上院議員とともに、産業界が提起した問題を解決するための法案を制定しようと活動している。

 また、モンタナ州民主党のマックス・ボーカス上院議員は、米国国民の生活水準を維持することを目的として、教育/エネルギー改革/医療ケア改革に主眼を置いた新たな包括的法制案を今年後半にも提出する構えだ。

 ボーカス氏は「インドや中国といった国々が力をつけてきている」と話し、「彼らには計画性がある。われわれも、今こそ政策を転換しなければならない」と主張している。

 米国が国際競争の中で立たされている状況を「水からゆっくりと茹でられるカエル」に比したのは、Lockheed Martinの元CEO兼会長のノーマン・オーガスティン氏だ。同氏は、米国の技術革新が直面しようとしている危機的状態は10年かけて形成されたもので、これを払拭するのにさらに10年が必要になると、委員会に対して語った。

 オーガスティン氏によれば、こうした問題が拡大するようになったのは、1つには研究投資の性質が変化したためであるという。かつては、産業が基礎研究の3分の1程度を支援していたが、今日では四半期ごとの投資回収が重要な焦点となっており、産業が有する研究資金の大半が開発につぎ込まれるようになっている。

 「産業界は研究開発における研究の部分を、徐々に放棄しつつある」とオーガスティン氏は述べ、そうした空洞は政府が埋めなければならないと発言した。

 バレット氏は、民間企業には株主に対する責任があり、資産の大部分を基礎研究に充てる余力がないと、同委員会で証言している。

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