Sunのグリッドに初日からDoS攻撃

Sun Grid立ち上げ初日に、Sunがデモとしてこのグリッドで運用していたアプリケーションがDoS攻撃を受けた。

» 2006年03月23日 18時31分 公開
[Peter Galli,eWEEK]
eWEEK

 米Sun Microsystemsのグリッドコンピューティングシステムを利用している多数のサービスのうち、あるテキスト音声変換アプリケーションは立ち上げ初日の3月22日から不調だった。このアプリケーションはサービス拒否(DoS)攻撃を受け、公開インターネットから追い出されてしまった。

 Sun Gridのユーザーは、登録前に幾つもの段階を経て認証を受けなければならないため、Sunは問題のテキスト音声変換アプリケーションを、ユーザーが登録しなくてもいいようにGridポータル外にロードすることにした。

 グリッドコンピューティングシステムは、数百台あるいは数千台のコンピュータの処理能力を合わせて、石油探査プログラムや気象予報アプリケーションなど、莫大な処理能力を必要とする作業を処理する。

 Sunは、お金を払っても処理能力を使いたいというすべての人にユーティリティコンピューティングサービスとして提供するために、独自の大規模グリッドを開発した。問題のテキスト音声変換アプリケーションは、Sunがこのグリッドの能力を示すためデモとして提供していたものだった。

 「不正なユーザーにGridポータル内のアプリケーションへのアクセスを許してしまったら、悪意を持ったユーザーがSunのグリッドをダウンさせようとする可能性があることは認識していた。このため、このデモアプリケーションを外部でホスティングすることにした。グリッドシステムはDoS攻撃から身を守ったが、そのためにこのアプリケーションが利用できなくなった」とSunのユーティリティコンピューティング担当上級ディレクター、アイスリング・マクラネルズ氏はeWEEKの取材に応えて語った。

 Sunはその後、このアプリケーションをもう一度Gridポータル外にロードしたが、再びDoS攻撃でダウンした。それから同社はこれをGridポータル内に移すことにした。ポータル内ではユーザーはSunに氏名や住所を登録し、PayPalアカウントなどSunの公認決済手段を設定しなければならない。またグリッドの使用目的も詳細に明かさなくてはならないという。

 しかし、DoS攻撃でSunのグリッドプロジェクトへの熱意はくじかれてはおらず、問題のテキスト音声変換アプリケーションは今週中にポータル外で無料トライアル提供されるとマクラネルズ氏は述べている。

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