既述の2つのポイントを踏まえた上で、次に考えることは、システム構築を委託するベンダーやシステムインテグレーターの選定である。
先の調査における、ERP導入企業のベンダー選定基準は何かという項目で、「サービス、サポート対応力(45.2%)」を重視するという結果が出たことは当然といえる。ただし、SMB向けERPパッケージが増えてきた今、「現在・過去の付き合い(36.5%)」という理由でベンダーを選定するのは考え直すべきだ。
数多くの売り手が存在するということは、買い手が優位な立場にあるということだ。買い手であるSMBユーザーは、さまざまなベンダーやシステムインテグレーターを探ることで、自社のニーズを確実にキャッチしてもらうことができるはずである。少なくとも3つ以上の製品の提案を受けてから選定に移りたい。
「内部統制強化・コンプライアンスのためにERPを導入しよう」といった流行の記事やセミナー、キャッチコピーを最近よく見かける。
しかし、多くのSMBはそういった動きを他人事としてとらえている。現実感に乏しく、「売り手側のカラ騒ぎ」と見ているのが本音だ。特にこれからERPを導入しようと考える場合には、できるだけ現実を踏まえ、自社の導入目的を明らかにした上で、上記3点のポイントを基に身の丈あったERP選定を実践していただきたい。
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