Novell BrainShare 2006:初日リポート(2/3 ページ)

» 2006年03月29日 09時05分 公開
[Joe-'Zonker'-Brockmeier,japan.linux.com]
SourceForge.JP Magazine

NetWareの衰退

 Novellによると、同社のOpen Enterprise Server(OES)を使用している顧客の3分の2は、このサーバをNetWareではなくLinuxで実行させているという。だからといって、同社の顧客全体の3分の2がLinuxを使っているわけではない。NetWareからOESに移行した顧客の中での話だ。この日を通して分かったのだが、まだ多くのユーザーがNetWareにこだわっているようだ。

 Novellもまた、少なくとも2015年末まではNetWare 6.5をサポートすると発表した。そのため、顧客がNetWare 6.5上に導入したソリューションは、少なくともあと9年は十分に保護される。ただし、同社には現在の顧客向けサポート以上のNetWare開発を続ける計画がないため、NetWare 7.0を目にすることはなさそうだ。

openSUSEへの注目度の低さ

 基調講演の間、openSUSEプロジェクトに注意が向けられることはほとんどなかった。この点については、先ほどのマスコミ向け説明会や、NovellのLinuxおよびオープンソースのマーケティングディレクター、グレッグ・マンクーシ・ウンガロ氏との個人的な話し合いの中でも質問した。

 同氏によると、ちょうど今はopenSUSEについての重要な発表がないだけで、openSUSEプロジェクトは開発者によるopenSUSE向けパッケージのビルドを可能にすることが想定される技術の開発に取り組んでいるという。例えば、このビルドシステムを使えば、Ubuntuと同様、さまざまなSUSE製品のすべてでパッケージのビルドを行える、とマンクーシ・ウンガロ氏は述べている。公には知らされていないが、openSUSEの担当者は、かつてのFree and Open source Software Developer’s European Meeting(FOSDEM)でこの技術のデモを行っている(このデモの映像はopenSUSE siteのサイトにある)。

 また、同氏は、openSUSE、SLES、SLEDが同じコードベースを共有していることも指摘した。ただし、Fedora CoraとRed Hat Enterprise Linux(RHEL)はこのコードベースの一部ではない。これは、顧客とコミュニティーがSUSE製品のラインアップに直接影響を及ぼすことができることを意味している。

 それでもやはり、この催しでopenSUSEがほとんど重視されていないのには驚いた。マスコミ向けの質疑では「opensuse.org」ではなく「opensuse.com」と呼ぶなど、Novellの役員はopenSUSEについてあまり詳しく知らないように見えた。

顧客の反応

 ほとんどどんなカンファレンスをのぞいても世界中の人々に出会うが、BrainShareに集まる人々の幅広さは格別だ。2006年には一度しかBrainShareを開催しないことをNovellが決めたため、今回は全世界のいたるところから顧客とパートナーが同社の正式な意向を知るために集まっている。同社の顧客でLinuxを評価している多くの人々に話を聞いた。多くは米国および英国の人々だが、カナダ人数名、オランダ人1名も含まれていた。

 Novellのユーザーおよび顧客は、NetWareや同社のほかの製品を信奉しているようだ。顧客の何名かに、Linuxを導入するつもりがあるか、しばらくNetWareを使い続けるつもりか、近い将来に(神が禁じても)Windowsに移行する予定があるかについて、話を聞いた。同社の顧客の多くは、まだLinuxに関する動向を見守っている状況だが、Microsoft Windowsに熱を上げる様子もまったくない。

 Novellが提供するLinux製品に移行する際の障壁の1つは、NetWareとLinuxとの間のスキルセットの違いである。Unixの管理者は容易にLinuxに乗り換えることができるが、NetWareとLinuxとの間には共通点がほとんどないのだ。ある参加者は、BrainShare 以外で行われているNovellによるLinux向け教育研修および認定資格を強く否定していた。ただし、彼も含めて私が話し掛けた参加者は皆、 BrainShareで開かれている教育研修セッションに対しておおむね肯定的だった。

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