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» 2006年03月30日 11時00分 公開

セキュリティと利便性の両立を――CTCが取り組むコンテンツ管理

2005年1月、CTCは関東の営業オフィスを霞が関に集約した。これを機に、文書のライフサイクル管理を可能にするコンテンツ管理インフラを構築している。

[丸山隆平,ITmedia]

 伊藤忠テクノサイエンス(CTC)は2005年1月、関東の営業オフィスを東京・霞が関ビルに集約した。これに合わせ、新たな戦略的な情報インフラ「eWork@CTC」の構築に着手。セキュリティを意識した文書管理とコミュニケーション円滑化を両立させようとしている。情報システム部の小林雅弘部長代行と情報システム部システム技術開発グループ樋口克明氏に、同社の取り組みを聞いた。

文書をライフサイクルで一元管理

 樋口氏は「セキュリティを強化すると利便性が下がり、利便性を重視するとセキュリティが下がる。このように相反する問題を解決してITインフラサービスを向上させる」と、eWork@CTC構築の目的を説明する。

 具体的には、作業用サーバ「eDrive」、統合ファイルサーバ「eFiles」、現在検討中の統合書庫サーバ「eLibrary」の3つに分けて管理する。3つのサーバがそれぞれ文書のライフサイクルに対応し、文書の包括的な管理を行うための環境を提供する仕組みだ。

オフィス風景 CTCのオフィスにはシンクライアント端末「Sun Ray」が配備されている。多くの社員はこれを通じて業務を行っている

 これまでCTCでは、社内で作成される文書は各個人のPCや部門ごとに設置されたファイルサーバなどで、バラバラに共有・保管されていたという。そのため、重要度の高低にかかわらず、管理ルールは個人や部門に任されている状態だった。

 「新たに3つのサーバに集約することで、このような文書管理の状況を一定のルールに基づいて一元管理できるようになった。これにより、部門のファイルサーバ管理者の管理負担を削減できた。同時に情報漏えいのリスクも軽減にもつながっている」(樋口氏)。

eWork@CTC eWork@CTCが目指す文書管理イメージ

 ユーザーの文書管理の流れはこうだ。まず、作成されるファイルはすべて「eDrive」に一時的に保存される。eWork@CTCの構築にあたり、シンクライアント端末「Sun Ray」を1200台配備しており、このeDriveがWindows PCでいえば「マイドキュメント」の役割を果たすことになる。また、Sun Rayを利用していないユーザーにもこのドライブが割り当てられており、原則としてすべてのファイルをここに保管することになっている。

 そして、eDriveで作成され情報共有を行う必要がある文書はeFilesに保存する。ここにはコンテンツ管理プラットフォーム製品「Oracle Collaboration Suite」を採用した。ユーザー自身がアクセス権限を自由に設定できるなど、柔軟なセキュリティ設定が行えるほか、Webブラウザや携帯電話など多様なアクセスが可能な点を評価したという。そして、保管の必要なファイルは統合書庫サーバeLibraryに格納され、不要な文書は廃棄される。こうしたサイクルに応じた管理を行うことで、煩雑な文書管理の効率化を図るわけだ。

 さらに、これらサーバのアクセスログは「eTrace」というシステムが一元収集し、セキュリティインシデントが起こった際の追跡を可能にする仕組みも構築した。「ここまで高水準の文書管理システムを整備している企業はほかにない。顧客も当社と同じ悩みを抱えているようで、当社のオフィス見学の取り組みも非常に盛況だ」と樋口氏は話す。


 今後、同社はペーパーレス化の取り組みを本格化させるという。「紙と電子の比率で言えば、まだ圧倒的に紙の方が多い。情報システム部門に電子化の要請が来ているものは全社の10%にも満たないと見ている。これらを取り込まなくては、セキュリティや情報共有のメリットが最大化できない」(小林氏)。

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