Javaをオープンソースにしない本当の理由――Sun元幹部による公開書簡(2/2 ページ)

» 2006年03月30日 17時14分 公開
[Peter Galli,eWEEK]
eWEEK
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ゴスリング氏の考えは

 Sunのフェローで同社の開発製品グループのCTO(最高技術責任者)を務めるJavaの開発者、ジェームズ・ゴスリング氏は、以前行われたeWEEKのインタビューの中で、Java SEに完全準拠したオープンソースインプリメンテーションがSunから登場する可能性があるかとの質問に対し、明確な回答を示さなかった。

 「それにはさまざまな答えがある。1つの答えは『全く分からない』というものだ。将来、何が起きるかは分からないからだ。当社とコミュニティーとの関係、そして当社がすべてのソースを公開していることに注目してほしい。オープンソースプロジェクトと同様、われわれもコミュニティーから多くの人々に貢献してもらっている。実際、真のオープンソース化に対する最大の障害は、当社のライセンスに含まれるテストに関する規定だ。ライセンスの条件としてテストを義務付けているために、われわれはオープンソースコミュニティーの宗教的祝福を受けることができないのだ」と同氏は話す。

 Sun以外の企業がJavaのオープンソースインプリメンテーションを提供する可能性があるかとの質問に対し、ゴスリング氏は「その可能性はある」としながらも、それで状況が大きく変わるとは考えていないという。

 「J2ME(現在はJava ME)の分野を見れば、キャリアごとに互換性・相互運用性があるJVMが何十種類も出回っている。しかし当然、これらはすべてテストを受けているものだ。われわれがテストスイートを提供し、各社がテストを実施するのだ。ApacheでHarmonyを開発している連中も、テストを受ける用意があると言っている。彼らがそうするのであれば問題はない」と同氏はインタビューで語っていた。

 しかしヤーレッド氏は、「1種類のVM(Virtual Machine)を共有することがJavaにとっても、LAMPにとっても望ましく、それは3つの主要開発プラットフォームのうち2つを結び付け、.NETに対する競争力を高めることにもなる」と主張する。

 「そこで、どうだろうか。少し手綱を緩めて、単一のVMを皆で共有できるようにしえもらえないだろうか」と同氏はシュワルツ氏への書簡を締めくくっている。

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