「ライブドアとして再上場したい」と平松社長

ライブドアの平松社長は、上場廃止については「残念な気持ちとともに責任の重大さを感じている」とする一方、「しっかりと再生を果たして、できれば再上場したい」との思いを吐露した。

» 2006年04月06日 09時35分 公開
[松岡 功,ITmedia]

 ライブドアの平松庚三社長は4月4日、「アイティセレクト」のインタビューに応じ、現在の心境や今後の方針を語った。14日に予定されている上場廃止については「残念な気持ちとともに責任の重大さを感じている」と語る一方で、「しっかりと再生を果たして、できれば再上場したい」との思いを吐露した。再生のカギを握るUSENとの業務提携については、メディア&コンテンツ事業、法人向け事業、技術&インフラストラクチャー事業の3分野での協業に力を入れていくという。

ライブドア執行役員社長兼CEOの平松庚三氏

アイティセレクト ライブドアの社長に就任されておよそ2カ月半が経ちましたが、今の心境を聞かせてください。

平松 上場企業として社会的責任の重大さを痛感しています。社内的には危機的状況への対処が続きましたが、従業員がみんな歯を食いしばってがんばってくれました。その中でわたしにとってはマネジャーやエンジニアに多くの優秀な人材を見出すこともでき、日に日に再生への自信を深めていくことができるようになったのをうれしく思っています。

アイティセレクト 再生へのカギを握るUSENとの業務提携の内容はどのようなものですか。

平松 第一フェーズとしては、メディア&コンテンツ事業、法人向け事業、技術&インフラストラクチャー事業の3分野での協業に力を入れていきます。メディア&コンテンツ事業は、ライブドアのポータルとUSENのネット動画配信サービス「GyaO」を相互乗り入れするもので、3月下旬からスタートしてどんどん進行しています。

 法人向け事業は、ライブドアグループでわたしが社長を兼務している弥生の業務ソフト事業と、USENの有線放送および光通信事業がいずれも法人顧客を対象としていることから、相互の販売チャネルを活用して事業拡大につなげようというものです。これは今回の業提携の中でも法人顧客の共有基盤を形成するという重要な意味があります。この件については4月中旬にも詳細を発表するつもりです。また技術&インフラストラクチャー事業については、ネットワーク関連分野を軸に進めていく計画です。

 さらにUSENとの業務提携については、お互いに第二、第三のフェーズへ進みたいと思っていますが、まずは第一フェーズで確実に成果を生み出すことが先決だと考えています。

アイティセレクト 最終的にはUSENと統合する形になるのですか。

平松 その点については何も決まっていません。会社の形態よりもまずは業務提携を具体的に進めて成功させることが大事だと思っています。

アイティセレクト 14日で上場廃止になる予定ですね。

平松 残念な気持ちとともに、改めて責任の重さを感じています。

アイティセレクト ブランドイメージのアップを狙って社名を変更する考えはありますか。

平松 ライブドアというブランドについては、私はむしろ社長に就いて以降のほうがますます愛着を感じるようになってきました。確かに今回の事件で信頼度や親しみやすさというのは急降下しましたが、認知度については日本でもトップクラスなので、これを生かす手があるかもしれません。最近では例えばコールセンターにいただくお問い合わせなどでも、最後に「がんばって」と言っていただけるケースが増えてきました。ブランドは非常に大事なものですので、しばらくは状況の推移を見守ってみようと思っています。

アイティセレクト 上場廃止となった場合、愛着のあるライブドアとして再上場をめざそうという思いはありますか。

平松 上場企業として株主の方々に大変なご迷惑をおかけしたわけですから、軽々しく再上場という言葉を使うべきではないと考えています。実際、今のところはまったくの白紙の状態です。ただ、再生を果たしたその先に、個人的な心情としては、できれば再上場したいというのが正直な気持ちです。

 なお、このインタビューの詳細は「月刊アイティセレクト6月号」(4月28日発売)にて掲載いたします。

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