特集
» 2006年04月07日 11時00分 公開

FOSSプロジェクトを法の庇護下に置くSoftware Freedom Law CenterTrend Insight(1/2 ページ)

Software Freedom Law Centerは、フリー/オープンソースソフトウェアプロジェクトが金融および法的サービスの無償利用と、非営利組織としての体制維持を容易に行えるよう支援するプロジェクトを発足させようとしている。

[Joe-'Zonker'-Brockmeier,japan.linux.com]
SourceForge.JP Magazine

 現在、Software Freedom Law Center(SFLC)は、FOSS(フリー/オープンソースソフトウェア)プロジェクトが金融および法的サービスの無償利用と、非営利組織としての体制維持を容易に行えるよう支援するプロジェクト、Software Freedom Conservancy(SFC)を発足させようとしている。

 名称に保護団体(Conservancy)が入っているのはなぜだろうか? SFLCのリーガルディレクター(法務理事)、ダン・ラビチャー氏によると、この法律センターがFOSSプロジェクトに最初に勧めていることの1つが法人組織の形成だという。幾つかのFOSSプロジェクトに取り組んだ結果、SFLCの努力は半ば空回りしていることが明らかになった。「われわれは多数のクライアントが法人を設立して非営利組織化を果たす手助けをしてきた。『もう何度も繰り返し行ってきた。もっと容易にできないものだろうか?』というのが本音だった」という。SFCの発足により、各プロジェクトは、個別に非営利組織の申請をするのではなく、SFCによる法的支援の下で活動できるようになる。

 発足時にSFCが代理人を務めることになるのは、ほんの一握りのプロジェクトに過ぎないが、1年もすれば「10件や20件」のプロジェクトがSFCの保護下にあっても驚くには当たらない、とラビチャー氏は語る。彼によると、BusyBox、uClibc、SurveyOSが参加を予定しており、Wine Projectも参加を検討しているという

SFCが提供するもの

 SFCは各プロジェクトに代わって法人として機能し、非営利体制の下で各プロジェクトが助成を受けられるように便宜を図る。ラビチャー氏によると、プロジェクトは法人としてのさまざまな活動によって「実質的な恩恵」を受けられるという。その1つとして、法人化によって個人的債務を負わずに済むようになる。例えば、プロジェクトが特許侵害で企業から訴えられたとしても、賠償で要求されるのは法人の財産だけであり、プロジェクトに携わる個人の財産にその影響が及ぶことはなくなる。

 現在、SFCには501(c)3で規定されている非営利組織の資格はないが、ラビチャー氏によると申請手続きを進めている最中だという。申請が受理され次第、この資格はSFCに参加しているすべてのプロジェクトに適用される。ラビチャー氏は、今後はFOSSプロジェクトの個々の開発者よりも法人に寄付が集まるようになるだろう、と述べている。

 BusyBoxの開発者、ロブ・ランドレイ氏によると、彼のプロジェクトは既にSFLCと協力関係にあるという。GNU GPL(General Public License)を守らずにBusyBoxのコードを組み込んで利用している企業に対処するためだ。

 BusyBoxプロジェクトはSFCの金融面にはそれほど興味がない、とランドレイ氏は話している。「いずれにせよ、資金はないし集めるつもりもないので、SFCに銀行口座の管理を任せることができる、といったところであまり気にならない」

 しかし、そんなBusyBoxにとって、GPL侵害への対処はこれまでずっと大きな問題だった。「われわれは社内での対策強化からは完全に脱却していた。だから、やれるだけのことはやって、GroklawのPamela Jones氏に何かアドバイスをもらえないかとメールを送った。われわれが専門家の助けを必要としていることを彼女はすぐに察し、SFLCの人たちに引き合わせてくれた。その後のことはご存知のとおりだ」

 GPLを順守させようとする過程で、SFLCは誰の代理なのか、という代理権の問題が持ち上がった。BusyBoxには法人の体制がなかったため、法律的に厄介な問題だった。「だが、SFLCのおかげでBusyBoxは有利な立場にいる。SFLCは自分たちが誰の代理かをはっきりと認識しているからだ。SFLCの人たちとはじめて電話で話したときには混乱した。代理を務める人物が誰なのかを彼らは知りたがったのだ」

 ランドレイ氏はまた「われわれの代わりに訴訟を起こしてくれる弁護士がいれば、どんな反訴が起きてもその弁護士が代理人を務めてくれるので、とても助かる」とも述べている。これもまた、必須ではないが、SFCに参加することで得られる恩恵だ。

 ランドレイ氏は次のように語っている。「SourceForgeやSFLCの保護団体のような組織に加われば、プロジェクトは自分たちでやるよりも充実したサービスを受けることができる。だが、非営利プロジェクトの所有権を主張するとプロジェクトを潰してしまうおそれがあるため、BusyBox やuClibcを「所有する」法人はわれわれには必要なかった」

関連キーワード

法律 | GPL | FSF | Trend Insight


       1|2 次のページへ

Copyright © 2010 OSDN Corporation, All Rights Reserved.

注目のテーマ