家電や携帯にも暗号化セキュリティを――IBMの「Secure Blue」

Secure BlueはPCや携帯電話の盗難や紛失によって物理的にアクセスされた場合でも情報を守ることが可能。家電、デジタルメディアなどの業界向けにライセンス提供する。

» 2006年04月11日 07時53分 公開
[ITmedia]

 米IBMは4月10日、暗号を使った新しいセキュリティ技術「Secure Blue」(コードネーム)を正式発表した。家電、医療、政府機関、デジタルメディアといった業界向けにライセンス提供する計画。

 Secure Blueはプロセッサに組み込むことができるセキュリティアーキテクチャで、デバイス上の情報を暗号化し、盗難や紛失によってデバイスに物理的にアクセスされたり制御された場合でも、情報を守ることが可能。ソフトではなくハードをベースとしているため、リバースエンジニアリングや不正アクセスに対しても強力な防御を講じることができるという。

 IBMによれば、従来の暗号化技術は経費がかさみ、システムのパフォーマンスに影響を与えるため家電には不向きだったが、Secure Blueで初めて、メインフレームから生まれたセキュリティ技術を、それほど性能が高くない家電や携帯機器に採用することが可能になる。

 個人情報や財務情報の電子的な伝送/保存が増加し、セキュアなデータセンターからそれほどセキュアでないPCや携帯電話、PDAに移されて情報が流出する問題も発生しているとIBMは指摘。こうした中、Secure Blueは低価格の家電製品に使われているプロセッサにも強力なセキュリティを組み込む基盤となり、ネットワーク中心型の社会でセキュリティを大幅に強化させることが可能になると説明している。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ