ベリタスとの統合を完了した新生シマンテック、サービス事業を強化

ベリタスソフトウェアとの統合を完了させたシマンテックの代表取締役社長、木村裕之氏は、「ネット社会をもっと安心、安全にすることがわれわれの使命」と述べる。

» 2006年04月11日 19時22分 公開
[高橋睦美,ITmedia]

 2010年にはワールドワイドで売り上げ100億ドル企業を目指す――ベリタスソフトウェアとの統合を完了させたシマンテックの代表取締役社長、木村裕之氏は、4月11日に行われた記者説明会において、今後の成長目標をこのように述べた。

 米Symantecがストレージベンダーの米Veritas Softwareの買収を発表したのは2005年12月のことだ。米国では2005年7月に合併を完了し、日本法人についても統合作業を進めてきたが、この2006年4月に統合を完了し、新体制の下で活動を開始。新オフィスには規模を拡大した検証/テストセンターとして「ジャパンエンジニアリングセンター」(JEC)を設置し、稼働を開始している。

 木村氏は「この10年足らずのうちにITに求められる役割は変わった。ITは経営戦略の中心であり、生活のインフラともなっている」とし、その上で「いつでもどこでも、使いたいときに安心して活用できる、より堅牢な環境を提供していくのがシマンテックの役割だ」と述べた。

木村氏 官民が連携してセキュリティ大国を実現していくお手伝いをしたいと述べた木村氏

 シマンテックではこのミッションに向け、インフラそのもの、そのインフラを流れる情報、さらにはその情報を活用してなされる双方向のトランザクションという3つのレイヤそれぞれに保護を提供していくという。これには、旧ベリタスのストレージ/データ保護製品群だけでなく、やはり買収によって同社のポートフォリオに加わったセキュリティ監視システムなど、グローバルな基盤を活用していく計画だ。

 木村氏によると2006年度は、3つの柱に沿って営業体制を強化していくという。

 1つは、各業種/業態のトップ200〜300社を狙ったハイタッチセールスの強化。2つめはパートナービジネスの拡大で、「旧ベリタス製品を扱っていたパートナーはハイエンドのマーケットに強く、旧シマンテック製品のパートナーはミッドレンジに強い」(木村氏)ことから、前者におけるセキュリティ製品、後者でのアベイラビリティ製品の取り扱いを強化するパートナー支援策を提供していく方針だ。3つめの柱として、製品を軸にした営業展開も進めていく。

 併せて、サービス事業の強化にも取り組む。先日発表した、日本版SOX法対応を支援する「ITリスク アセスメント サービス」もその1つだが、コンサルティング業務に携わる人員を70人体制へと倍増するなど、サービス体制を強化。「ASPサービスやモニタリングサービス、コンサルティングを統合してサービス事業を展開していきたい」(木村氏)という。また個人向けには、「Genesis」のコードネームで呼ばれる総合セキュリティサービスを提供していく計画だ。

 さらに、市場セグメントをまたいだ重点プログラムとして、IT統制を支援する「ITコンプライアンス」のほか、電子メールやインスタントメッセンジャーなどのやりとりを保護する「メッセージマネジメント」、さまざまな脅威へのプロアクティブな対処を支援する「統合脅威管理」という3つのエリアにフォーカスしていくという。

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